松尾流(読み)まつおりゅう

精選版 日本国語大辞典 「松尾流」の意味・読み・例文・類語

まつお‐りゅうまつをリウ【松尾流】

  1. 〘 名詞 〙 茶道流派一つ延享寛延一七四四‐五一)の頃、表千家六世覚々斎宗左の門人松尾宗二が創始。名古屋中心に普及した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「松尾流」の意味・わかりやすい解説

松尾流
まつおりゅう

茶道流派の一つ。武野紹鴎(たけのじょうおう)の弟子辻玄哉(つじげんさい)を遠祖とし、千宗旦(せんのそうたん)の門弟で四天王の一人に数えられることもある物斎(ぶっさい)・楽只軒(らくしけん)松尾宗二(そうじ)(1579―1658)の曽孫(ひまご)宗二(1677―1752)を流祖とする。ただし、辻玄哉を初代とし、宗二を6代とすることもある。初代宗二は京都に生まれ、初め宗旦流の茶を町田秋波(しゅうは)に学んだが、のち表千家6代覚々斎宗左について皆伝を得、名古屋地方へ赴き、茶道を広めることになった。『敝帚(へいそう)記』の著述がある。2世宗五(そうご)(1701―71)は翫古斎(がんこさい)と号し、『翫古随筆』の著がある。5世宗五(1792―1830)は茶室造園を好み、書画なども多く残して松尾流中興とされる。現在、名古屋市東区の楽只軒で13世(宗典(そうてん))を継承している。

[筒井紘一]

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改訂新版 世界大百科事典 「松尾流」の意味・わかりやすい解説

松尾流 (まつおりゅう)

江戸中期に成立した茶道流派。千宗旦の高弟,楽只軒(らくしけん)松尾宗二(1579-1658)の曾孫宗二が開いた一派だが,遠祖辻玄哉が武野紹鷗の弟子であったので玄哉をもって初代とし,その子辻五郎(のち松尾と改名)を2代,宗旦の弟子楽只軒宗二を3代,正行院宗政を4代,真行院宗俊を5代,そして宗俊の養嗣松尾流1世宗二を6代とし,爾来当代11世16代に至る。ちなみに1世宗二(1677-1752)は通称治兵衛,名を重賢といい,京都に住んで茶法を表千家6世覚々斎宗左に学んだが,のち名古屋に移り,茶道を広めた。現在も家元は名古屋にある。
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