根香寺(読み)ねごろじ

日本歴史地名大系 「根香寺」の解説

根香寺
ねごろじ

[現在地名]高松市中山町

五色ごしきあお(四四九・三メートル)山頂東側にある。青峰山千手院と号し、単立。本尊千手観音。四国霊場八十八ヵ所の第八二番札所で、御詠歌は「宵の間のたえ降る霜の消えぬればあとこそ鐘の勤行のこえ」。青峰山根香寺記によると開基は智証大師円珍。険山である青峰を訪れた円珍が老翁(地主神市瀬明神)に導かれ、毘沙門谷に多聞天像を安置し、蓮華谷に金堂を造立して本尊を安置した。また後夜谷を法華三昧道場としたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「根香寺」の意味・わかりやすい解説

根香寺
ねごろじ

香川県高松市中山町にある天台系の単立寺院。青峰山千手(あおみねざんせんじゅ)院と号する。四国八十八か所第82番札所。81番白峰寺から根香寺までの讃岐遍路道の一部は根香寺道として国の史跡に指定されている。智証(ちしょう)大師円珍(えんちん)(814―891)の創建と伝える。本尊千手観音(せんじゅかんのん)立像(国重要文化財)は円珍が霊木で刻んだものといい、木の根株が長く芳香を放つので根香の寺名がつけられたという。1185年(文治1)後白河(ごしらかわ)上皇勅願により官寺となり末寺99院を数える最盛期を迎えたが、戦国時代に衰微した。1970年(昭和45)本堂が改築されて3万3330体の観音像を安置。寺宝に本尊観音像のほかに五大明王立像(県の重要文化財)などがある。怪獣牛鬼(うしおに)の伝説で名高く、弓の名手山田高清が当山本尊に祈願をかけて牛鬼を退治し、その角(つの)を奉納したと伝える。

[大鹿実秋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「根香寺」の解説

根香寺(ねごろじ)

香川県高松市の青峯山山頂にある寺院。宗派天台宗。青峰山千手院と号する。本尊の木造千手観音立像は33年に1度しか開帳されない秘仏で、国の重要文化財。四国八十八ヶ所霊場第82番札所。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android