棒鱈(読み)ぼうだら

精選版 日本国語大辞典 「棒鱈」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐だら【棒鱈】

〘名〙
① 鱈を背から三枚におろし、頭、背などをとって日干しにしたもの。干鱈。《季・春》
※俳諧・桜川(1674)冬二「棒鱈や三百三本つりのふね〈忠知〉」
② よっぱらい。酔客。
歌舞伎男伊達初買曾我(1753)五「何がモウ町で虎に酒を強ひられて、大棒鱈(ボウダラ)になってす」
③ 役に立たない者。でくのぼう。ぼんくら。まぬけ。文政・天保(一八一八‐四四)頃の流行語。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)六「おらがほうのぼうだら八が鼻のあなからは、瘡(かさ)がひとりでにふき出したハ」
④ 下手な役者大根役者
咄本・諺臍の宿替(19C中)「あの積でさんじました物は、にしんとぼうだらとこぶとでござりまする」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「棒鱈」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐だら【棒×鱈】

真鱈を三枚におろして素干しにしたもの。 春》

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「棒鱈」の解説

棒鱈〔干物〕

真鱈を素干しにした干物。主に北海道東北地方で生産される郷土料理。古くは北前船関西地方に運ばれ、京都などでは正月料理材料として用いられた。

棒鱈〔落語〕

古典落語演目ひとつ。五代目柳家小さんが得意とした。オチは地口オチ。主な登場人物は、さむらい、江戸っ子

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android