デジタル大辞泉
「森有正」の意味・読み・例文・類語
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もり‐ありまさ【森有正】
- 哲学者。東京生まれ。有礼(ありのり)の孫。東京大学助教授を辞してフランスに移住。デカルト、パスカルの研究に従事するかたわら、文明批評や日本文化論をエッセイの形で発表した。著「デカルトとパスカル」「バビロンの流れのほとりにて」「経験と思想」など。明治四四~昭和五一年(一九一一‐七六)
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森 有正
モリ アリマサ
昭和期の哲学者,仏文学者 パリ大学教授;パリ日本館館長。
- 生年
- 明治44(1911)年11月30日
- 没年
- 昭和51(1976)年10月18日
- 出生地
- 東京
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学仏文科〔昭和13年〕卒
- 経歴
- 生後間もなく受洗。昭和20年東京帝大助教授となり、フランス哲学・文学を講じる。25年フランスに留学、そのままパリに住みついた。国立東洋語学校やパリ大学で日本語と日本文学を担当し、47年パリ日本館館長に就任。この間、32年「バビロンの流れのほとりにて」を発表、ヨーロッパ文明を内側から理解しようとする姿勢と抒情性に富む文体によって大きな反響を呼ぶ。他に「パスカルの方法」「デカルトの人間像」「近代精神とキリスト教」「デカルト研究」「ドストエフスキー覚書」「遙かなノートルダム」「沙漠に向かって」「パリだより」「セーヌの辺で」「経験と思想」「日本思想入門」など著書多数。翻訳の業績にアラン「恩索のあと」などや「芥川龍之介短篇選集」の仏訳がある。また「森有正全集」(全14巻・補遺1 筑摩書房)が刊行されている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
森有正 (もりありまさ)
生没年:1911-76(明治44-昭和51)
哲学者。東京に生まれ,暁星中学,東京高校を経て,1938年東大仏文科を卒業。森有礼の孫。パスカル,デカルトを中心とするフランス17世紀哲学・思想の研究にたずさわり,この研究領域での業績に《パスカルの方法》(1943),《デカルトの人間像》(1948)などがある。第2次大戦後,東大文学部助教授在職中に渡仏,53年に東大を辞してそのままパリに定住する。渡仏後の最初の著作《バビロンの流れのほとりにて》(1957)は,書簡形式をとりながら,西欧文明との接触によって著者の内面にもたらされた変化を凝視した記録であり,この時期の森がとりくんだ思想的課題を明らかにしている。その後,《遥かなノートル・ダム》(1967)をはじめとする一連の著作で,人間の生の過程においてしだいに蓄積されてゆく動かしがたい〈経験〉を重視すべきことを説き,内面的思索力の強靱さを如実に示した。晩年はパリ大学東洋学部教授。芥川竜之介の短編集の仏語訳がある。
執筆者:菅野 昭正
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森有正
もりありまさ
[生]1911.11.30. 東京
[没]1976.10.18. パリ
哲学者,フランス文学者。初代文部大臣森有礼の孫にあたり,牧師であった父親の影響で幼い頃からのクリスチャン。 1938年東京大学仏文科卒業,デカルト,パスカルを専攻。第一高等学校教授を経て東京大学助教授在籍中の 50年に渡仏,そのままパリに定住して 55年からパリ大学で教鞭をとり,日本語と日本思想を講じた。既成の言葉 (名辞) と説明 (命題) だけから成る空疎な構築物を破壊しつくしたのちに,直接に世界と自然に触れることのなかで,唯一,確実な感触をもって重層し,結晶してくるものを「経験」と名づけた。この経験こそ一人の人間を具体的に定義するとし,偶然的に外側から与えられ,機械的に増大する「体験」とは厳密に区別した。著書に『パスカルの方法』 (1943) ,『ドストエーフスキー覚書』 (50) ,『バビロンの流れのほとりにて』 (57) などがあり,『森有正全集』 (14巻,78~81) がある。
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森有正 もり-ありまさ
1911-1976 昭和時代のフランス文学者,哲学者。
明治44年11月30日生まれ。森有礼(ありのり)の孫。パスカル,デカルトなどの近世フランス哲学を専攻し,昭和25年東大助教授在職中に渡仏。28年東大を辞してパリに定住し,国立東洋語学校,パリ大東洋学部で日本語,日本文化を講じる。47年から4年間パリ日本館館長。「遥かなノートル・ダム」以下一連の著作で「経験」の意味を説いた。昭和51年10月18日死去。64歳。東京出身。東京帝大卒。著作はほかに「パスカルの方法」「デカルト研究」「経験と思想」,エッセイに「バビロンの流れのほとりにて」など。
【格言など】体験と異なる本当の経験は正しい理想の上に立つものである(「霧の朝」)
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森有正【もりありまさ】
哲学者,評論家。東京生れ。東大卒。森有礼(ありのり)の孫。17世紀のフランス哲学・思想を研究し,《パスカルの方法》《デカルトの人間像》を刊行。東大在職中に渡仏して定住,パリ大学東洋学部教授などを歴任した。渡仏後は,西欧文明との接触による著者の内面の変化を凝視した《バビロンの流れのほとりにて》《城門のかたわらにて》,さらに〈経験〉を思索の中心に据えた《霧の朝》を含む随想集《遥かなノートルダム》などを著す。
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森 有正 (もり ありまさ)
生年月日:1911年11月30日
昭和時代のフランス文学者;哲学者。パリ大学教授;パリ日本館館長
1976年没
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