横切る(読み)ヨコギル

デジタル大辞泉 「横切る」の意味・読み・例文・類語

よこ‐ぎ・る【横切る】

[動ラ五(四)]
横の方向に通りすぎる。一方の側から他方の側へ渡る。横断する。「車道を―・る」
ふと現れて消える。「失望の色が顔を―・る」
[動ラ下二]横に切れていく。横にさえぎる。
「澄みのぼる月の光に―・れてわたるあきさの音の寒けさ」〈頼政集
[類語]ちらつくかするかすめる通る通過する経由する経る通り過ぎる過ぎるよぎる通り抜ける

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精選版 日本国語大辞典 「横切る」の意味・読み・例文・類語

よこ‐ぎ・る【横切】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 横さまに通り過ぎる。横断する。
      1. [初出の実例]「青山を横殺(よこぎる)雲のいちしろく吾れと笑(ゑ)まして人に知らゆな」(出典万葉集(8C後)四・六八八)
      2. 「その外れを横切って走っている国道にも、まるで人影が見えなかった」(出典:薪小屋(1962)〈庄野潤三〉一)
    2. よこ(横)に行(ゆ)く
      1. [初出の実例]「せっちんの口に、かぶろをばんに置、主はかの男かたへゆき、よこぎらせ侍り」(出典:評判記・寝物語(1656)四)
    3. 考え・思い、また表情などが、ふっとあらわれてすぐに消える。
      1. [初出の実例]「時として変な曇りが其顔を横切(ヨコギ)る事があった」(出典:こゝろ(1914)〈夏目漱石〉上)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
    1. 横に切れて行く。横にさえぎられる。
      1. [初出の実例]「澄みのぼる月の光によこぎれてわたるあきさの音の寒けさ」(出典:頼政集(1178‐80頃)上)
    2. 横道に曲がる。また、横道にそれる。

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