デジタル大辞泉
「掠る」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かす・る【掠・擦】
- [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
- ① 通り過ぎるときなどに表面にさっと触れる。他の物の表面を一瞬かすかにこするようにして過ぎる。比喩的にも用いる。
- [初出の実例]「懸植事〈略〉惣而枝のかすることなし」(出典:松下十巻抄(1531)蹴鞠条々)
- 「金から吹起る都の腐れ風に日向(ひなた)臭い横顔を漸々(だんだん)かすられ」(出典:油地獄(1891)〈斎藤緑雨〉一)
- ② 軽くその事に関して触れる。ほのめかす。また、もとの語をたくみに利用してしゃれほのめかす。
- [初出の実例]「すこくとは意如何。かするの常詞歟(か)」(出典:異本紫明抄(1252‐67)三)
- 「天智天皇の哥をかすりてよみけるを聞は」(出典:咄本・鹿野武左衛門口伝はなし(1683)上)
- ③ 軽く触れたかのように動く。
- [初出の実例]「柔かな薄雲が、〈略〉所々大胆にかすってゐる」(出典:真理の春(1930)〈細田民樹〉森井コンツェルン)
- ④ 上前(うわまえ)をはねたり、ごまかしたり、倹約したりなどして利益を得る。
- [初出の実例]「そば切のあかりをかする夜はまぐり」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦一三(1761)礼五)
- ⑤ 中に入れた物が少なくなって、取り出すときに容器の底に軽く触れる。また、底までさらう。底までなくす。
- [初出の実例]「ツボソコヲ casuru(カスル)〈訳〉壺の底をこそげる」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ⇒かすれる(掠)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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