20世紀日本人名事典 「橋本英吉」の解説
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
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小説家。福岡県築上(ちくじょう)郡吉富(よしとみ)町に生まれる。本名は亀吉。高等小学校卒業後、郵便局員、坑夫などを経て上京、共同印刷に入ったが、1926年(大正15)の争議で解雇。徳永直(すなお)、横光利一(よこみつりいち)と知り、『棺と赤旗』(1928)で坑夫小説の書き手として知られるようになり、リアリズムに徹した長編小説『炭坑』(1934)は代表作となった。ナップ派にあって活躍したが、のち転向。第二次世界大戦前では『欅(けやき)の芽立』(1936)、『衣食住その他』『坑道』(ともに1939)など、戦後では富士山での気象観測に苦闘する野中至(いたる)夫妻を描いた『富士山頂』(1948)その他の作品がある。
[大塚 博]
『『日本現代文学全集89 橋本英吉他集』(1968・講談社)』▽『国岡彬一著『橋本英吉の「炭坑」・「坑道」をめぐって』(『日本文学研究資料叢書 プロレタリア文学』所収・1971・有精堂出版)』
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