歌説経(読み)ウタセッキョウ

デジタル大辞泉 「歌説経」の意味・読み・例文・類語

うた‐せっきょう〔‐セツキヤウ〕【歌説経】

《「うたぜっきょう」とも》江戸時代説経節一節を歌謡風に歌ったもの。三味線などを伴奏とした。

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精選版 日本国語大辞典 「歌説経」の意味・読み・例文・類語

うた‐せっきょう ‥セッキャウ【歌説経】

〘名〙 (「うたぜっきょう」とも) 江戸時代、寛文元祿一六六一‐一七〇四)にかけて、三味線に合わせて節おもしろく仏教の因果を説いた語り物。操り人形と提携して芝居興行をはじめた説教とは別で、人形と結びつかずそれだけで語られた比較的短いもの。
評判記・役者評判蚰蜒(1674)ゑびすや座惣論「三左や五郎がうたせっきゃう、のほほんよほほんある物でなし」

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改訂新版 世界大百科事典 「歌説経」の意味・わかりやすい解説

歌説経 (うたせっきょう)

僧形鉦鼓(しようこ)を打って念仏に節をつけて歌うのが歌念仏であるが,これが後に〈小栗山椒太夫などといふものに鉦鼓の拍子をとりて語る事,是いかにぞや,歌念仏の名目にはたがへり〉(《色道大鏡》序,1678)と,説経節の文句をとって語るまでになった。これが歌説経であって,哀傷味の強い語り方に特徴があった。京都の日暮一派がこの歌説経を得意とした。
日暮小太夫
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「歌説経」の意味・わかりやすい解説

歌説経
うたぜっきょう

説経

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世界大百科事典(旧版)内の歌説経の言及

【説経節】より

…説経はまたこの芸能を行う者を意味することがあり,この意味では〈説経の者〉〈説経説き〉ともいう。門付(かどづけ)をするものを門説経,簓(ささら)を伴奏とするものを簓説経,哀調をおび歌謡風のものを歌(うた)説経,操人形と提携したものを説経操りなどということがあり,本来,別系統の芸能である浄瑠璃の影響を受けたものを説経浄瑠璃という。
[起源]
 僧などが仏教経典を講説することも説経と呼ばれ,古く奈良時代から行われたが,平安末から鎌倉時代には専門の説経師があらわれた。…

※「歌説経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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