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止血法 シケツホウ

デジタル大辞泉の解説

しけつ‐ほう〔‐ハフ〕【止血法】

外傷などによる出血を止める方法。傷口ガーゼなどを当て、その上から包帯を巻く圧迫包帯法、傷口より心臓に近い側の血管を指で押さえる指圧止血法などがある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

止血法
しけつほう

創傷からの出血を止める方法をいう。出血は、動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血に分類される。このうち、毛細血管性出血は、血液の凝固にかかわる線維素溶解系に異常がなければ、自然止血が期待されるもので、出血量は少なく、圧迫止血で止血可能である。静脈性出血は、暗赤色の血液が創部から持続的に流出するもので、頸(けい)静脈、大腿(だいたい)静脈等の太い静脈が損傷されていない限り、圧迫止血で止血可能である。太い静脈からの出血は、その損傷された静脈を縫合、結紮(けっさつ)(血管を縛って血液の循環を止める)しない限り止血は不可能である。動脈性出血は、動脈の破綻(はたん)によっておこるもので、創部からは鮮血色の血液が拍動性に噴出し、出血量は多く、血圧が低下しない限り自然止血は不可能で、止血には結紮、縫合による止血が必要となる。
 止血法は止血操作によって、(1)自然止血、(2)圧迫止血、(3)緊縛止血、(4)結紮止血、(5)血管縫合止血、(6)薬物止血に分けられる。
 自然止血は、放置していても自然に出血が止まることである。圧迫止血は、ガーゼ、清潔なタオル等で直接出血部位を圧迫して止血させる止血法で、安全で止血効果も確実なため、もっともよく用いられる。毛細血管性出血、頸静脈や大腿静脈等の太い静脈以外の静脈性出血では、圧迫止血によって永久止血効果が得られる。なお、動脈性出血の場合には、圧迫止血では永久的な止血効果は得られないが、圧迫している間は一時的な止血効果が得られるため、緊急止血処置として頻用されている。緊縛止血は、四肢の動脈性出血の場合に用いられる方法で、出血部位より心臓に近い部位を紐(ひも)状のもので縛り、動脈血流を遮断することによって一時的な止血効果を得る方法である。ただし、長時間にわたって緊縛止血を施行した場合には、血流が完全に遮断されるため、末梢(まっしょう)側は壊死(えし)に陥ることがある。動脈性出血の場合は、前述した圧迫止血、緊縛止血を用いて一時的止血処置を施行するが、動脈性出血を永久的に止血するときには結紮止血、血管縫合止血がとられる。結紮止血は、損傷した血管を糸で結紮して血流を遮断させ、止血を得る方法であり、血管縫合止血は、損傷した血管壁を縫合修復することによって止血させる方法である。薬物止血法とは、薬物によって止血を行うものであり、局所的に用いられる薬物には、ゼラチン(「スポンゼル」等)、酸化セルロース(「オキシセル」等)、トロンビン末、アドレナリン、ノルアドレナリン等がある。これらは、直接、局所の血液凝固能を促進させたり、損傷した血管を収縮させることによって止血を得るものである。そのほかに、ビタミンK、カルバゾクロム製剤(「アドナ」等)、トラネキサム酸(「トランサミン」等)の止血剤の全身投与があるが、これらは、長期的な止血効果は期待されるものの、緊急の止血効果は薄い。[高橋教雄]

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