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歯の退化 はのたいかteeth reduction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

歯の退化
はのたいか
teeth reduction

ヒトの進化過程において生じている現象の一つ。の大きさの縮小,形の単純化,歯数の減少の3要素で構成される。歯冠の大きさについて,初期の人類であるアウストラロピテクス類と現代人を比べてみると,切歯は約 85%に,第1大臼歯は約 80%に,犬歯は約 75%に,小臼歯と第2,第3大臼歯は約 70%に縮小している。それに伴い歯根も縮小している。アウストラロピテクス以前にも,切歯と犬歯の縮小が著しかったと推測される。形の単純化は,咬頭や歯根の数の減少,溝や隆起部の変化などである。大臼歯の咬頭も,ドリオピテクス型の5咬頭から,4咬頭,さらに3咬頭へと減少している。特に遠心舌側咬頭の退化が著しい。歯数の減少は,ヒトの基本歯式,切歯上下顎各2,犬歯同1,小臼歯同2,大臼歯同3の合計 32本のいずれかが欠如することによる。そして切歯,小臼歯,大臼歯の各歯群のいずれも,そのなかで後方の歯から退化が起る傾向がある。最も顕著なのは智歯欠如であり,現代人の相当数が欠如し,もし存在しても形は単純で小さい。また側切歯の欠如や退縮もまれではない。以上のような3要素は,遺伝的にも関連が強く同時に起ることが多い。退化の程度や型式は人種により異なり,一般に白人は退化が著しく,オーストラリア先住民や黒人は退化が遅れている。原因は,食性の変化,食物の調理,そして道具としての歯の使用の軽減などと考えられている。 (→歯式 , 第6咬頭 )  

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