死亡診断書(読み)シボウシンダンショ(その他表記)death certificate

デジタル大辞泉 「死亡診断書」の意味・読み・例文・類語

しぼう‐しんだんしょ〔シバウ‐〕【死亡診断書】

患者死亡を確認して医師が作成する証明書死亡証書

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共同通信ニュース用語解説 「死亡診断書」の解説

死亡診断書

人の死を医学的、法律的に証明するため、医師が死亡日時や場所、死因などを記入して遺族に交付する。火葬の許可を得たり戸籍抹消したりする際に必要。国の死因統計の資料にもなるため、厚生労働省は医師らに向けマニュアルを出して適切な記入を求めている。診療中の疾病ではない外因死などの場合は死体検案書とし、詳しい状況なども書く。

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精選版 日本国語大辞典 「死亡診断書」の意味・読み・例文・類語

しぼう‐しんだんしょシバウ‥【死亡診断書】

  1. 〘 名詞 〙 医師が、患者の死亡を証明する診断書。死亡証書。死亡証明書。
    1. [初出の実例]「死亡診断書〈略〉記載事項の件左の通相定む」(出典:内務省令第四一号‐明治三三年(1900)九月三日)

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改訂新版 世界大百科事典 「死亡診断書」の意味・わかりやすい解説

死亡診断書 (しぼうしんだんしょ)
death certificate

人の死を医学的に証明する書類。社会的には,この書類により人間の権利主体としての存在は消滅する。医師が患者の臨終に立ち会った場合,または自らが診療していた患者で最終の診察後24時間以内に診療していた傷病の当然の転帰帰結)として死亡した場合には死亡診断書,それ以外の死亡状況の死体をみた場合(検案という)には死体検案書の発行義務が医師に対して生じ,医師は正当な理由がなければ書類発行の求めを拒否できない(医師法19条2項),逆に,医師が自ら診断または検案しないでこれらの書類を発行することはできない(同法20条)。歯科医師は,自らの診療範囲での死亡に関する診断書のみ発行しうる。死亡診断書も死体検案所も,記載内容および書類の様式,書類の社会的意義にまったく差はない。死亡診断書(死体検案書)は,戸籍の抹消,国内外の死因統計の作成に使用され,裁判や賠償問題の証拠書類となる。戸籍の抹消は戸籍法第86条に基づいて届出義務者が行う死亡届によってなされるが,このとき医師の死亡診断書または死体検案書の添付が必要である。実際には,死亡診断書(死体検案書)と死亡届の両者で1枚となっていて,一方を医師が,他方を届出義務者が記載して,死者本籍地,死亡地または届出人の居住地の役所戸籍係へ提出する。戸籍係では,死亡診断書(死体検案書)の記載内容を人口動態死亡票に転記し,届出地が本籍地の役所と異なるときはこの書類を法務局へ送り,戸籍の抹消を行う。一方,死亡票は所轄保健所へ送られ,保健所ではこれに基づき人口動態調査死亡小票を作成し,原死亡票を都道府県に送る。都道府県ではこれをまとめて厚生省へ送り,厚生省では,これに基づき死亡に関する統計を作成し,国民の健康・福祉に関する基礎資料として月報(概数)および年報(確定数)にして公表している。死亡診断書(死体検案書)に記載された死因は,WHO(世界保健機関)加盟国では,国際疾病分類に従って原疾病で分類され,国際間の死因の比較検討ができるようにされている。したがって,医師は死因欄には医学界で用いられている傷病名で詳細に記入することが求められる。ところが,日本では症状名だけを記入する例がしばしばあり,日本の死因統計が国際的信用を欠く一因となっている。単に急性心臓死,心不全と書くのは診断を下したことにならないし,老衰も的確な死因とはいえない。また,死亡の種類が〈外因死〉の場合には,外因死の追加事項が記載され,外因による補助分類の資料となる。
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百科事典マイペディア 「死亡診断書」の意味・わかりやすい解説

死亡診断書【しぼうしんだんしょ】

医師が自分の診療中の患者の死亡に対して発行する文書。病名,死因,死亡日時等を記す。医師が臨終に立ち会った場合か,臨終が最後の診療後24時間以内で,かつその死亡が以前の病歴からみて異常と判断されない場合に発行される。→死体検案書
→関連項目死亡診断書

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「死亡診断書」の意味・わかりやすい解説

死亡診断書
しぼうしんだんしょ

医師が診察または診療した患者について発行する「死亡の事実を証明する書類」で、死亡の届け出をする場合には、添付書類としてかならず提出しなければならない(戸籍法86条2項)。医師は、本来、患者の死亡に立ち会った場合にのみ死亡診断書を作成すべきものであるが、診療中の患者が、その疾病で最終受診後24時間以内に死亡した場合は、検診しないでも死亡診断書を交付することができることになっている(医師法20条但書)。死亡診断書は、人の法律的権利義務の終止を証明するものであるが、死因統計の資料ともなり、国民の健康、福祉に関する行政の参考となる。

[澤口彰子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「死亡診断書」の意味・わかりやすい解説

死亡診断書
しぼうしんだんしょ
death certificate

医師が診療中の患者が死亡した場合に作成する書類のこと。医師法により医師の作成交付が義務づけられている。死亡診断書様式は国際疾病分類に基づいてつくられており,おもな記載事項は氏名,年齢,性別,発病年月日,死亡年月日時分,死亡の場所およびその種別,死亡の種類,死亡の原因,外因死の追加事項,および生後7日以内で死亡した場合の追加事項である。みずからが診療していない人の死体を扱った場合は,死体検案書を作成する。

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葬儀辞典 「死亡診断書」の解説

死亡診断書

死亡を確認した医師に作成してもらいます。死亡届と一対になった書類で、これが交付されて法律的に死が確定されます。また、自殺・事故死などの変死の場合は、警察の検視官による検死を受け、死体検案書を作成してもらいます。

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世界大百科事典(旧版)内の死亡診断書の言及

【診断書】より

…人の健康状態に関する医師の医学的判断を表示・証明する文書(通常の診断書)と,医師がみずから診療した傷病により死亡した人の死因などに関する医学的判断を証明する文書(死亡診断書)をいう。後者については記載すべき事項が定められている(医師法施行規則20条)が,前者についてそのような規定はなく,慣例に従って作成されている。…

※「死亡診断書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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