段戸山(読み)だんどさん

日本歴史地名大系 「段戸山」の解説

段戸山
だんどさん

町域の北方、東加茂郡境近くにある標高一一五二・三メートルの山。九〇〇メートル級の峰を二〇近くもつ山塊をも含めた総称でもあり、近世に山論の対象とされた段戸山はこの山塊をさす。山塊から発する水流は、西の矢作川と東のとよ川とへ分水される。元禄二年(一六八九)段戸山元の田峯だみね桑平くわだいら折立おりたち筒井つつい栗島くりしまの五ヵ村と阿蔵あぞう(現東加茂郡下山村)との訴訟文書、乍恐以口上書申上候御事(北設楽郡史)に、

<資料は省略されています>

とあり、段戸山が天正一八年(一五九〇)吉田よしだ(現豊橋市)城主となった池田輝政の頃から御林であり、かつ御林をもって設楽郡と加茂郡の郡境としたと伝えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「段戸山」の意味・わかりやすい解説

段戸山
だんどやま

愛知県北設楽(きたしたら)郡設楽町にある山。鷹ノ巣山とも。三河(みかわ)山地主峰で標高1153メートル。付近は県下一の美林地帯で、江戸時代は幕府御領林、現在は国有林になっている。段戸山裏谷高原の原生林は、林学研究のための学術考証林として保護されている。高木層はツガモミブナ、中・下木層はシデミズキアセビ、林床はササ、谷沿いはバイケイソウなどに分かれている。段戸高原県立自然公園に指定され、段戸湖周辺は釣り客でにぎわい、近くにキャンプ場、牧場、第二次世界大戦後の開拓集落などもある。

[伊藤郷平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の段戸山の言及

【設楽[町]】より

…美濃三河高原上にあり,豊川の支流寒狭(かんさ)川上流域に位置する。段戸(だんど)山(1152m)など標高1000m級の山々に囲まれ,天竜川,矢作(やはぎ)川,豊川の水源地帯をなす。中央部を南北に伊奈街道(国道257号線)が通り,田口は江戸時代宿場町として栄えた。…

※「段戸山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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