母原病(読み)ぼげんびょう

百科事典マイペディア 「母原病」の意味・わかりやすい解説

母原病【ぼげんびょう】

1985年,久徳重盛医師によって書かれた単行本《母原病》の大ヒットによって一般的に使われるようになった言葉。母親の誤った育て方が原因で,子どもの心身形成および人間形成に歪みができ,その結果として,子どもたちに病気や異常があらわれると解釈した。子育てを一手に引き受け,子どもとの接触がもっとも多い母親が原因との見方からこの名がつけられたが,その一方で,育児を放棄している父親の責任を重視し,〈父原病〉という言葉も生まれた。 ことばの遅れ,食欲不振,夜尿症,風邪をひきやすい,重症喘息(ぜんそく),慢性腹痛下痢,家庭内暴力,不登校(登校拒否),甘えなど,症状はさまざま。治療法も多岐にわたる。 ことばの遅れは母親と言葉をかわす環境が整わなかったために起こるとされ,〈単純性言語遅滞〉とも呼ばれる。治療にはテレビばかり見せるのをやめて,母親とのコミュニケーションを図ることが大切。食欲不振は母親の過干渉によるものとされ,間食をやめさせ,運動をさせることによって,改善されることが多い。夜尿症も,食欲不振と同様に,母親の過保護によるものとされる。いつまでも幼児感覚から抜け出せないでいる子どもに多い。家事の手伝いをさせるなど,子どもの自立を促すようにするとよいという。→公園デビュー

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