比売神社(読み)ひめじんじや

日本歴史地名大系 「比売神社」の解説

比売神社
ひめじんじや

日根神社境内に鎮座する。もと同社の西にあり溝口みぞぐち大明神とも、また日根神社に対して下御前しものごぜんともよばれた。桜宮さくらのみやの称もある。「延喜式」神名帳の日根郡一〇座の一として「比売神ヒメカミノ」とみえる。祭神は大日貴尊・素盞嗚尊とする説(大阪府史蹟名勝天然記念物)、衣通姫とする説(泉州志)伊弉冊尊とする説(神祇宝典)などがある。旧村社。「三代実録」貞観元年(八五九)五月七日条に「和泉国旧府神、聖神、比売神等、列於官社」とみえ、同書同年八月一三日条では従五位上に進階している。文暦元年(一二三四)一二月二日の日根庄諸村田畠在家等注文案(九条家文書)には日根野村内の神社として大井関神社と並んで「溝口社」とみえる。


比売神社
ひめのじんじや

[現在地名]福光町高宮

高宮たかみや地区の南西にある。祭神は下照比売命。旧村社。古くは雉真きじま神社と称し、口碑によると高宮随順ずいじゆん寺開基空潮の勧請。空潮は嘉禎二年(一二三六)高宮に来て修行したとき白雉が丘の上に群れる夢を見、この地の衆生済度のために仮に神となって万物を護るのでこの丘に神社仏閣を建てよという白雉のお告げを受けた。この夢告に従い雉真大明神を勧請したのが比売神社の起源だと伝える(福光町史)。高宮では雉は神社の使いであるとして捕獲を禁じ、また食べる人もいないという(越中志徴)


比売神社
ひめじんじや

[現在地名]生月町山田免

日草の神田ひくさのかんだ山に鎮座。祭神は豊玉比売命。旧村社。神功皇后が三韓出兵に際して無事の渡海を祈願したと伝え、のち遣唐使藤原常嗣の一行航海の安全を当社に祈願したという。寛永年間(一六二四―四四)または正保四年(一六四七)に平戸藩主が勧請し、祈願所としたともいう。寛永年間山田奉行の井上氏が生月島キリシタンをことごとく改宗させた際、当社で信徒に熊野牛王に誓詞血判をさせたという(最新松浦誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の比売神社の言及

【宇佐神宮】より

…誉田別(ほんだわけ)尊(応神天皇),比売(ひめ)大神,大帯姫(おおたらしひめ)命(神功皇后)をまつる。《延喜式》神名帳には〈八幡大菩薩宇佐宮〉〈比売神社〉〈大帯姫廟神社〉(ともに名神大社)とあり,平安時代から豊前国の一宮でもあった。 《古事記》《日本書紀》に名の記される宇佐津彦,宇佐津姫のまつる宇佐(比売)神があったとみられるが,《扶桑略記》《八幡宇佐宮御託宣集》などには,欽明32年に大神比義(おおがのひぎ)が託宣により誉田天皇広幡八幡麻呂を奉斎したとある。…

※「比売神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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