民権自由論(読み)みんけんじゆうろん

精選版 日本国語大辞典 「民権自由論」の意味・読み・例文・類語

みんけんじゆうろん‥ジイウロン【民権自由論】

  1. 政治思想書。植木枝盛著。明治一二年(一八七九)刊。自由民権思想の基本的な考え方を要約し一般大衆に宣伝する目的で書かれた啓蒙書。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「民権自由論」の解説

民権自由論
みんけんじゆうろん

明治前期の啓蒙的自由民権理論の書。植木枝盛(えもり)著。1879年(明治12)4月刊。平易な口語体はしがきで全国民に「自由の権」が命より重いことを伝え,本文人民は堂々と国家のことにも心を用いること,国家・政府は人民の自由権利を守るもので,人民は天賦の自由権利を行使すべきこと,国家の基本は人民の繁栄にあり,人民の自主自由憲法こそが国の独立を保つと説いた。「民権田舎歌」が付録。「岩波文庫所収

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民権自由論」の意味・わかりやすい解説

民権自由論
みんけんじゆうろん

植木枝盛著。 1879年刊。明治の民権思想を代表する著書民権運動が都市の知識人から全国的な農民層へと拡大してゆく経過を展望しながら,自由と人民の権利を平易な口語体で叙述している。この書は高い評価を受け,そのため植木は民権思想家として不動の地位を獲得した。

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旺文社日本史事典 三訂版 「民権自由論」の解説

民権自由論
みんけんじゆうろん

明治前期,植木枝盛の啓蒙書
1879年刊。人民は国家の主人であり,君主や政府は人民の自由権利を保護するための手段にすぎないと,民権思想を平易に説いたもの。自由民権運動の理論的指導書として大きな影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内の民権自由論の言及

【植木枝盛】より

…毒殺の疑いがもたれている。《民権自由論》(1879),《天賦人権弁》(1883)などの著作をはじめとして,《愛国志林》《高知新聞》などに掲載した論説は多数にのぼり,その所論は政治,社会,法律,宗教,文芸などの多方面にわたっている。一院制議会の開設,男女普通選挙,基本的人権の保障,抵抗権などの主張は,卓越した民主主義思想を示している。…

※「民権自由論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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