水母・海月(読み)くらげ

精選版 日本国語大辞典 「水母・海月」の意味・読み・例文・類語

くらげ【水母・海月】

〘名〙
刺胞動物のハチクラゲ類とヒドロ虫類の浮游世代の個体の通称。クシクラゲ類を含めることもある。体は寒天質からなる傘形で、傘の開閉によって多少は移動できるが、ほとんどは潮流によって運ばれる。体の下面中央から柄に相当する長い口柄がたれ、その先端に口がある。主にプランクトンを食べる。傘の周縁部に触手が並び、その基部に眼点、平衡器がある。触手には多くの刺胞があり、中から毒針がとび出て、餌を捕える。その一生の間にはポリプ型で着生生活を送る時代があり、このポリプが無性的にいくつかのクラゲを生ずる。ビゼンクラゲエチゼンクラゲミズクラゲなど種類が多い。ビゼンクラゲなどは食用にする。古来、骨のないものをくらげにたとえる。《季・夏》
※古事記(712)上「次に国稚(わか)く浮きし脂の如くして、久羅下(クラゲ)なすただよへる時」
※枕(10C終)一〇二「『さては扇のにはあらで、くらげのななり』ときこゆれば」
② (①には骨がなく、からだがぐにゃぐにゃしているところから) 筋肉が発達しないで、からだのしっかりしない人。
③ しっかりした考えがなく、態度の定まらない人。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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