永興寺跡(読み)ようこうじあと

日本歴史地名大系 「永興寺跡」の解説

永興寺跡
ようこうじあと

[現在地名]松原市北新町二丁目

「えいごうじ」ともよぶ。跡地西除にしよけ川に架かるみや橋西方、長尾街道の北側にあり、跡地から柱穴と考えられるピット穴や平安後期の軒丸瓦片が発見されている。明治六年(一八七三)廃寺。元文二年(一七三七)の布忍山永興寺略縁起(大林寺蔵)は、紀伊国牟婁むろ郡の人永興律師が寛治三年(一〇八九)草創し、本尊は十一面観音であったこと、創建時には金堂仁王門五重塔・廻廊・食堂などを備え、弘安年中(一二七八―八八)に興正菩薩(西大寺叡尊)が中興し、鐘は文暦元年(一二三四)に平家一族から寄付されたことなどを記す。


永興寺跡
ようこうじあと

[現在地名]蒲生町上久徳

正八幡若宮(現蒲生八幡神社)の南にあった曹洞宗寺院。跡地は現在の蒲生小学校にあたる。大定山護法院と号し、本尊は釈迦如来。能登総持寺の末寺で、蒲生郷の菩提所。開山は蒲生氏一二代清寛の叔父にあたる量外聖寿。聖寿は丹波国永沢ようたく(現兵庫県三田市)開山の通幻に法嗣した十哲の一人で、応永二三年(一四一六)当寺で死去した。肖像画は龕に入れて客殿の一室に安置した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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