デジタル大辞泉
「油虫」の意味・読み・例文・類語
あぶら‐むし【油虫】
1 (「蚜虫」とも書く)半翅目アブラムシ科の昆虫の総称。体は5ミリ以下でやわらかい。翅のあるものとないものとがある。草木に群れて汁を吸う。春・夏は雌のみの単為生殖で雌の幼虫を胎生する。秋になると雄を生み、有性生殖で卵を産む。排泄物は甘く、他の昆虫が好み、種類によりアリと共生するのでアリマキともいう。
2 ゴキブリの別名。《季 夏》「ねぶたさがからだとらへぬ―/汀女」
3 人につきまとってただで遊興・飲食をするものをあざけっていう語。
「―といふは、虫にありてにくまれず、人にありてきらはる」〈鶉衣・百虫譜〉
4 遊里で、冷やかしの客。
「本名は素見あざ名は―」〈柳多留・三七〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あぶら‐むし【油虫】
- 〘 名詞 〙
- ① セミ(半翅)目アブラムシ科とそれに近縁な科に属する昆虫の総称。体長は五ミリメートル以下で、体色は緑、黄、橙、茶、黒など。腹の側に長い口吻(こうふん)をもつ。園芸植物、果樹、野菜などに群生し、汁液を吸ってその発育を害する。春、雌の単為生殖で雌の幼虫を胎生して盛んに増殖し、秋になると雄が生まれ有性生殖により多数の卵を産む。排出物に糖分を多く含み、これを吸うためにアリが好んで集まる。アリはアブラムシの外敵を追い払うため、共生関係の好例とされる。俗称ありまき。蚜虫。《 季語・夏 》
- [初出の実例]「はぎのえだなどにつくあふらむしと云ふあをきむしのをとなしくなりてはねのおひたるを、ふようひとなつけてかしらにぬる」(出典:塵袋(1264‐88頃)四)
- ② 「ごきぶり(蜚蠊)」の俗称。《 季語・夏 》〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ③ 「あぶらこうもり(油蝙蝠)」の異名。
- ④ 昆虫「こがねむし(黄金虫)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
- ⑤ 人につきまとい、害を与えたり、無銭で飲食、遊楽などしたりするのを常習とする者をあざけっていう語。たかり。
- [初出の実例]「楽やのあふらむしとなりておもひにもえさすらふ」(出典:評判記・剥野老(1662)序)
- 「青(虫喰)芝居抔え無銭にて見るものを云江戸て云油虫のことなり」(出典:浪花聞書(1819頃))
- ⑥ 遊郭などでひやかしの客をあざけっていう。ひやかし。
- [初出の実例]「一あぶらむしのからさわぎ」(出典:評判記・吉原讚嘲記時之大鞁(1667か)にくきもの)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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油虫 (アブラムシ)
動物。アブラムシ科,タマワタムシ科,カサアブラムシ科,フィロキセラ科の昆虫の総称
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
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