日本大百科全書(ニッポニカ) 「浜海」の意味・わかりやすい解説
浜海
ひんかい / ピンハイ
中国、天津(てんしん)市東部の副省級区(省と同程度の自主権を与えられた市轄区)。海河(かいが)河口に位置し、東は渤海(ぼっかい)湾に面する。常住人口289万4300(2014)。2009年天津市管轄下のタンクー、ハンクー、大港(たいこう)の3市轄区が合併して成立した。2013年には行政改革により「大街鎮」管理モデルに移行し、27街道・鎮を19街道・鎮に改編した。津秦高速鉄道(天津―秦皇島(しんこうとう))、京津城際鉄道(北京(ペキン)―天津)が通じる。区東部には農業用の天津タンクー空港がある。
渤海湾岸の中心部に位置し、天津新港の巨大なコンテナターミナルを有することから、物資の集散地として発展してきた。大港油田の中心地でもあり、石油化学、造船などの工場が集積し、重工業が発達している。環渤海経済圏(北京、天津の2市と遼寧(りょうねい)、河北(かほく)、山東(さんとう)の3省)の中核と位置づけられており、中国北部の対外開放の窓口、近代工業・科学技術の研究開発基地、国際海運・物流基地の役割を担っている。
名勝・旧跡には、海神を祀(まつ)る明(みん)代創建の潮音寺、全国重点文物保護単位(日本の国宝・重要文化財、史跡に相当)に指定されたタークーの砲台遺跡などがある。
[曲 揚 2017年6月20日]