精選版 日本国語大辞典 「天津」の意味・読み・例文・類語
てんしん【天津】
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中国、華北地区の大都市。行政上は北京(ペキン)、上海(シャンハイ)、重慶(じゅうけい)とともに省と同格の政府直轄市である。和平(わへい)区、薊州(けいしゅう)区、浜海(ひんかい)新区など16市轄区からなる。面積1万1917平方キロメートル、人口1562万1200(2016)。渤海(ぼっかい)湾岸に面し、海河河口より約50キロメートル上流、大清河、子牙河(しがが)、永定河など、海河支流の合流点付近の右岸一帯に市の中心部がある。海河の内陸水運や京山線(北京―山海関(さんかいかん))、京滬(けいこ)線両鉄道の連絡する交通の結節点をなす。華北最大の貿易港で、北東120キロメートルにある首都北京の海への門戸となっている。海河河口の天津新港は、1952年に完成し、1万トン級の船舶の接岸できるバース(係留地)は100以上あり、さらに海河の改修によって天津市街まで3000トン級の船舶が遡航(そこう)できるようになっている。市中心部の東約13キロメートルに天津浜海国際空港がある。
周辺の海河下流一帯はワタ、小麦の産地で、薊州区付近では有名な天津栗(ぐり)や柿(かき)の生産も多い。北東に開灤(かいらん)炭田を控え、南東に大港油田を擁している。また石灰岩、耐火れんがなどの原料も産し、海河下流域には長蘆(ちょうろ)塩場が広がり、塩の生産も巨額に上る。華北、モンゴル地方一帯との交通の便もよく、これらの優れた交通位置が、天津に商工業の発展をもたらし、大都市を形成させる原因となっている。工業ではとくに紡織工業の比率が高く、じゅうたんは世界的に有名である。伝統的に製紙、ゴム、たばこ、マッチ、食品などの工場が多い。他方、製鋼、機械、石油、化学など重工業も急速に発展しており、さらに、電機・車両工業のほかカメラ、時計、計算機など精密機械工業も盛んである。
南開大学、天津大学、天津医科大学、天津音楽学院などの高等教育機関や研究所、図書館、博物館、労働文化宮など研究・文化施設も少なくない。また、体育館、競技場なども充実しており、スポーツことにサッカーが盛んなことは全国的に名高い。
[船越昭生]
宋(そう)代に泥沽海口(でいこかいこう)、金代に信安海(しんあんかいじゅ)、元代に直沽(ちょくこ)または海津鎮(かいしんちん)といわれた小港であった。元代に、江南からの税糧を毎年海運してここに陸揚げし始めてから急に発展した。明(みん)代の1404年天津衛を設け、周囲6キロメートルの城郭を築き、江南から大運河で輸送してくる税糧の中継地としてさらに発展して都市的様相を示し、清(しん)代には天津県を置き、天津府の首邑(しゅゆう)となった。清末、1792年と1816年の二度にわたりイギリスによって開港を迫られ、1858年アロー戦争に際してイギリス・フランス軍の攻撃を受け、1860年に占領され、アメリカ、ロシアも加わった天津条約によって開港された。1870年フランス排撃運動が起こって領事ら20名が殺害されるという事件があり、1900年には義和団と日・英など八か国連合軍との兵火を被り、城壁が取り払われた。1904年日露戦争のとき両国の軍需物資の調達地となってから、対外貿易港として栄え、租界も設けられて国際都市化した。中華民国時代には一時、直隷省都となったが、列国の利害が絡む内戦の舞台となることが多く、日中戦争に際しても1937年日本軍に占領された。
[星 斌夫]
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出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
中国河北省の東部にある直轄市。明代に天津衛が創設されたのに始まる。1858年以来20に近い条約,協定などがここで結ばれ,8カ国の租界が設けられ,上海と並ぶ国際都市となった。現在華北の水陸交通の要地,重工業都市として栄えている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…千葉県南部,安房郡の町。1955年天津町と小湊町が合体。人口8172(1995)。…
※「天津」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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