浮かむ(読み)ウカム

精選版 日本国語大辞典 「浮かむ」の意味・読み・例文・類語

うか・む【浮】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 ( 「浮かぶ」と同じであるが、用例は中世以降に多くなる )
    1. [ 一 ]うかぶ(浮)[ 一 ][ 一 ]
      1. 底から離れて、水面水中空中などにある。
        1. [初出の実例]「あふことの涙にうかむ我身には死なぬくすりも何にかはせむ」(出典:新井本竹取(9C末‐10C初))
      2. 不安定な状態である。落ち着かない。いい加減である。軽薄である。
        1. [初出の実例]「生涯浮める命、今いく程と」(出典:海道記(1223頃)手越より蒲原)
    2. [ 二 ]うかぶ(浮)[ 一 ][ 二 ]
      1. 水中から水面の方へ出てくる。
        1. [初出の実例]「うきあがらんとする所を〈略〉打てば沈みうかめば打」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一)
      2. 外面に現われる。また、意識に出てくる。思い出される。思いつかれる。
        1. [初出の実例]「いかにかく心にむかし目に涙うかまぬ時もなき身なるらし〈藤原光俊〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)四)
        2. 「酒興のうかみたる時は、故人が来れかし。一盃のまんと思ふ也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)中)
      3. 良い状況になる。
        1. (イ) 苦しい境遇から抜け出る。運が開ける。
          1. [初出の実例]「こん世には、地獄の底に沈みて、うかむ世あらじ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)
        2. (ロ) 死者の霊が成仏する。極楽往生する。
          1. [初出の実例]「妙なる法(のり)のおん経を、〈略〉波間に沈め弔(とむら)はば、などかは浮かまざるべき」(出典謡曲鵜飼(1430頃))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙うかめる(浮)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

《「晋書」杜預伝から》竹が最初の一節を割るとあとは一気に割れるように、勢いが激しくてとどめがたいこと。「破竹の勢いで連戦連勝する」[類語]強い・強力・強大・無敵・最強・力強い・勝負強い・屈強・強豪・強...

破竹の勢いの用語解説を読む