浮ぶ(読み)ウカブ

デジタル大辞泉 「浮ぶ」の意味・読み・例文・類語

うか・ぶ【浮(か)ぶ/×泛かぶ】

[動バ五(四)]
物が液体の表面や中間、または空中に存在する。浮く。「雲が―・ぶ」「ボート湖水に―・ぶ」「太平洋に―・ぶ島」⇔沈む
物が液体の表面や空中などに、底から離れて上がる。浮く。浮かび上がる。「沈没船から油が―・ぶ」⇔沈む
心の中に上ってくる。意識に出てくる。「名案が―・ぶ」「彼のおもかげが―・ぶ」
表面に出てくる。「苦悩の表情が―・ぶ」「涙が目に―・ぶ」
物がその姿かたちを目立たせる。「霧の中に木立が黒く―・んでいる」
よくない境遇から脱する。よい方に事態が向かう。→浮かばれる
「小夜さんが其気になりゃ、小夜さんも幸福しあわせだし、君も―・ぶ」〈二葉亭其面影
陽気になる。浮く。
「心配気な、―・ばない顔色をして」〈啄木赤痢
死者の霊が慰められて安らかになる。成仏する。→浮かばれる
「流れいづる涙に今日は沈むとも―・ばむ末をなほ思はなむ」〈山家集・下〉
気持ちなどが動いて定まらない。落ち着かない。うわついている。
「女の宿世は、いと―・びたるなむあはれに侍る」〈帚木
10 根拠がない。いいかげんである。
「都にはいと―・びたる事ども、心のひきひき言ひしろふ」〈増鏡三神山
浮く[用法]
[動バ下二]うかべる」の文語形
[類語](1浮くたゆたう漂う浮遊する浮流するぽっかりぷかりぷかりぷかぷかどんぶりこどんぶらこ浮き沈み浮揚舞う片片へんぺんひらりひらりひらりひらひらふわふわふわりふわっとふんわりゆらゆら/(2浮く浮き上がる浮揚する浮上する浮かび上がる浮かべる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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