最新 地学事典 「海底地震計」の解説
かいていじしんけい
海底地震計
ocean bottom seismograph
海底で地震観測を行う計測器。OBSとも。海水が電磁波に不透明で水圧を及ぼし,遠隔操作を余儀なくされる点が陸上観測と異なる。観測方式は1)陸上とオンラインで結ぶ海底ケーブル方式と,2)海底で記録するオフライン方式に大別される。方式1)は電源供給ができ,リアルタイムにデータが得られる。日本では気象庁が東海沖,房総沖にそれぞれ全長約150kmのケーブルを敷設して,伊豆-小笠原海溝,南海トラフ近傍の地震活動を常時監視している。方式2)は自由落下-自己浮上型海底地震計による短期観測(数日~数週間)が主流で,日・米・仏・英・ロなどの各研究機関で実用化されている。センサー,電子回路(制御・増幅・A/D変換など),記録器,時計,電池などを耐圧容器に収めてある。設置は船から自重により自由落下させ,回収は超音波指令を船から発しておもり(アンカー)を切り離し,浮力で海面に浮上させて行う。記録方式は,記録容量の増加に伴いデジタル方式が主流になりつつある。観測は人工地震による構造探査およびローカルな微小地震観測を目的として,10台以上の海底地震計を数km~数十kmの間隔で配置することが多い。センサーは陸上で用いられている速度型電磁地震計(固有周波数1~4.5Hz)あるいはハイドロホンである。最近では,長周期の感度を高めて遠地地震による表面波まで含めた観測をするため,フィードバック型広帯域地震計の設置も行われている。
執筆者:末広 潔
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

