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海洋基本法 かいようきほんほう

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知恵蔵2015の解説

海洋基本法

海洋政策を一元的・総合的に実施し、日本の排他的経済水域(EEZ)での権益を守ることを目的に、2007年4月20日に成立し、同年7月20日に施行された法律。日本が主張するEEZの面積は国土の12倍に当たる約447万平方キロメートルで、世界第6位の広さである。しかし、所管官庁が8省庁にまたがっていることもあり、総合的な海洋政策が打ち出せず、東シナ海ガス田開発問題(対中国)や漁業問題(対韓国、中国、台湾、ロシア)への対応も十分とはいえないものであった。基本法では、海洋政策を一元的に推進するために、内閣官房に首相を本部長とする「総合海洋政策本部」を設け、「海洋政策担当大臣」を新設する。また、国が行う基本的施策として、(1)海洋資源開発、(2)EEZ開発推進、(3)海洋の安全確保、(4)海洋調査の推進、(5)離島の保全など12項目を挙げている。政府は今後、総合海洋政策本部で海洋基本計画を策定し、EEZ内の海洋権益を守る上で必要な諸施策を打ち出す方針である。

(榎彰徳 近畿大学農学部准教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

海洋基本法

海洋構築物安全水域設定法と合わせて4月に成立。8省庁に分かれていた海洋に関する権限を、新設する海洋政策担当相に集約する。海洋相は領海と沿岸200カイリの排他的経済水域(EEZ)内の資源開発や輸送の安全、漁業権益の確保に責任をもつ。人工島や掘削施設などEEZ内の構築物の半径500メートルに「安全水域」を設け、国交相の認可がない限り、水域内には立ち入りできなくなる。政府は、海洋相を冬柴国交相に兼務させる方針。

(2007-06-26 朝日新聞 朝刊 政策総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

かいよう‐きほんほう〔カイヤウキホンハフ〕【海洋基本法】

海洋の開発・利用等に関する基本的な理念や施策等を定めた法律。政府に海洋基本計画の策定を義務付けるなど、国・国民・事業者などが果たすべき責務についても規定する。平成19年(2007)施行。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

海洋基本法
かいようきほんほう

海洋政策を一元的・総合的に実施し、日本の沿岸200海里(約370キロメートル)までの排他的経済水域での海洋権益を守ることを目的として、2007年(平成19)4月に成立した法律(平成19年法律第33号)、同年7月に施行。[田中 謙]

背景

国連海洋法条約が発効した1994年以降、海に面した国には排他的経済水域が認められた。同条約を受けて、中国や韓国などは海洋政策を強化し、基本法や基本戦略を進めてきたが、日本は海洋政策を所管する省庁が6省庁にまたがっていることもあり、総合的な海洋政策がなされず、漁業問題をめぐる韓国、中国、台湾、ロシアに対する対応も十分とはいえなかった。その後、東シナ海でのガス田開発をめぐる中国との対立などを契機として、海洋政策の新たな制度的枠組みの構築が必要とされ、2007年に超党派の議員立法で制定されたものが本法である。また、食料、資源・エネルギーの確保や物資の輸送、地球環境の維持等、海が果たす役割が増大していることに加えて、海洋環境の汚染、水産資源の減少、海岸侵食の進行、重大海難事故の発生、海賊事件の頻発等、さまざまな海の問題が顕在化したという背景もある。[田中 謙]

内容

本法では、海洋に関し、海洋の開発および利用と海洋環境の保全との調和、海洋の安全の確保といった「基本理念」を定め、国、地方公共団体、事業者および国民の責務を明らかにしているほか、海洋に関する基本的な計画(海洋基本計画)の策定、その他海洋に関する施策の基本となる事項について定められている。海洋基本計画は5年度ごとに見直され、長期的な海洋政策を進めようとしている。
 本法の制定によって、海洋に関する施策を集中的かつ総合的に推進するため、内閣総理大臣を本部長とする「総合海洋政策本部」が内閣内に設置され、2008年3月には海洋基本計画が閣議決定された。海洋基本計画には、海洋資源の開発・利用の推進、海洋環境の保全、排他的経済水域等の開発推進、海洋の安全確保、沿岸域の総合的管理、離島の保全、といった12の「基本的施策」が定められている。
 また、本法の制定と同時に成立した海洋構築物安全水域設定法により、排他的経済水域内の掘削施設や人工島の周囲500メートル以内に安全水域を定め、水域内への立ち入りを制限できるようになった。[田中 謙]

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