日本大百科全書(ニッポニカ) 「清水建設」の意味・わかりやすい解説
清水建設(株)
しみずけんせつ
建築中心の大手建設会社。1804年(文化1)に棟梁(とうりょう)として清水喜助(1783―1859)が江戸・神田で創業。1868年(明治1)築地(つきじ)ホテル館を、続いて三井組ハウスを竣工(しゅんこう)するなど新しい西洋建築を導入した。1915年(大正4)に合資会社、37年(昭和12)株式会社化を実現。この間、鉄筋コンクリート工法など新技術にも積極的に取り組み、第一生命ビル、日比谷公会堂などを施工した。第二次世界大戦後の1948年(昭和23)株式会社清水組を現社名に変更。1950年ころからのビル建設ブームにのり成長、新丸ビル、ブリヂストンビルなどを建設し、超高層ビルにも着手した。1973年の石油危機後は都市再開発事業や海外市場への進出などの新しい需要を掘り起こすとともに、独自技術の開発や、技術導入などによる総合技術力の強化に取り組んできた。受注高の内訳は建築工事81%、土木工事14%、投資開発等の附帯事業5%で建築の占める割合が高く、民間建築に強いことで定評がある。資本金744億円(2008)、売上高1兆4595億円(2008)。
[中村青志]
『清水建設株式会社編・刊『清水建設百八十年』(1984)』▽『清水建設株式会社編・刊『清水建設二百年 経営編』『清水建設二百年 作品編』『清水建設二百年 生産編』(2003)』