朝日日本歴史人物事典 「清渓」の解説
清渓
生年:生年不詳
南北朝期の臨済宗の尼。畠山家国の娘。鎌倉公方足利基氏の執事を務めた国清の妹に当たる。延文3/天正13(1358)年ごろ,基氏に嫁し,氏満を生んだ。早くから禅に心を寄せ,円覚寺黄梅院開山の方外宏遠,次いで円覚寺住持の義堂周信のもとに参禅していたが,貞治6/正平22(1367)年,夫に死に別れたのを機に正式に出家。鎌倉時代に尼妙法によって開かれた太平寺を中興し,その長老となった。以後,太平寺の寺格は急激に高まり,鎌倉尼五山制定に際して筆頭の地位を得たのも,清渓の入寺によるところが大きかったと思われる。<参考文献>『報国寺過去帳』,三山進『太平寺滅亡―鎌倉尼五山秘話―』
(牛山佳幸)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報