ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「渡辺秀石」の意味・わかりやすい解説
渡辺秀石
わたなべしゅうせき
[没]宝永4 (1707).1.16. 長崎
江戸時代中期の長崎派の画家。旧姓は岩川,字(あざな)は元章,号は仁寿斎(じんじゅさい),嬾道人(らいどうじん)など。逸然性融に師事して明の文人画的画法を学び,従前から長崎に伝わる独特の写生技法を加味して花鳥画,山水画,人物画,肖像画などを描き,元禄10(1697)年,最初の唐絵目利(からえめきき)職についた。同職は世襲制で,渡辺家は長崎絵画の正系として重きをなした。長崎諸流派における漢画派。主要作品『布袋渡水図』(1672,萬福寺),『隠元像』(1673,神戸市立博物館),『唐婦人図』(長崎市立博物館)。
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