測地基準系(読み)そくちきじゅんけい(その他表記)geodetic reference system

改訂新版 世界大百科事典 「測地基準系」の意味・わかりやすい解説

測地基準系 (そくちきじゅんけい)
geodetic reference system

地球の大きさや形,その重力場などを表現するために,測地学では,地球の赤道半径扁平率,その他いくつかの基本的な測地定数を使用する。測地定数は真実の値に近いものでなければならないが,同時に,相互に矛盾のないように決めたものでなければならない。世界各国の測地学が共通基盤に立って研究できるように,このような立場から,国際測地学協会が,そのときもっとも正確と思われる測地定数と,それによって決まる地球楕円体と現実の地球の位置関係を定めている。こうして定められた,地球の形状や位置,重力値などを含めた一連の測地システムが測地基準系である。測地基準系は1924年および30年に定められたものが長く使用されていたが,人工衛星観測などによってより正しい測地定数が得られたため,国際測地学協会は67年にその全面的な改訂を行い,測地基準系1967を定めた。その後79年末にそれを改訂し測地基準系1980が定められた。さらに83年8月に改訂したものが現在採用されている測地基準系1980である。ここでは,まず

 地球の赤道半径 a=(6378136±1)m

 地心引力定数

  GM=(39860044±1)×107m3/s2

 地球の力学的形状係数

  J2=(1082629±1)×10⁻9

 地球自転の角速度

  ω=7292115×10⁻11rad/s

を定め,ここから決まる基準楕円体の位置を,短軸は慣用国際原点の向き,原子午面は国際報時局による零子午面と平行,と決めている。その他の測地定数には,

 基準楕円体の扁平率の逆数

  1/f=298.257

 赤道上の重力値

  γe=(978032±1)×10⁻5m/s2

 ジオイド上のポテンシャル

  W0=(6263686±2)×10m2/s2

などがある。従来の測地基準系は,地球の大きさ,形を表す回転楕円体を与えることに重点があったように思われるが,測地基準系1980では,三軸不等と考えた場合の地球楕円体の形,あるいは,より複雑なジオイドの形を表現するための高次の力学的形状係数も示され,さらに起潮力による地球変形の度合を表す重力潮汐定数の値δ=1.16も加えられている。これは,測地基準系1980が,回転楕円体にとらわれず,より正確で精度の高い地球の形状を表現する方向へ一歩踏み出したことを意味する。なお今後,より精度が高く信頼性のある測定が行われるのに伴って,さらに測地定数の改訂が行われ,より正確な新しい測地基準系が定められることになるであろう。
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最新 地学事典 「測地基準系」の解説

そくちきじゅんけい
測地基準系

geodetic reference system

地球上の位置を表すための基準となる回転楕円体(準拠楕円体)を定義するために必要な基本定数と,準拠楕円体を地球に固定する方法を定めた体系。日本では,明治以降,ベッセル楕円体を測地原点で固定する局所座標系の日本測地系が用いられていたが,1990年代以降GNSSが普及し,2002年にGRS80(測地基準系1980)楕円体,地心座標系のITRF(国際地球基準座標系)94に準拠した日本測地系2000に移行した。現在は,2011年の東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動の影響を補正した日本測地系2011。

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参照項目:国際地球基準座標系
参照項目:GGOS

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