朝日日本歴史人物事典 「源光」の解説
源光
生年:承和12(845)
平安前期の公卿。正二位。西三条右大臣と称される。仁明天皇皇子で母は未詳。源朝臣の氏姓を賜り臣籍に下った賜姓一世源氏。元慶8(884)年参議となり,延喜1(901)年右大臣に進んだ。この任官は右大臣菅原道真の代わりであり,光は道真左遷の首謀者左大臣藤原時平に手をかしたという。検非違使別当,皇太子傅,左大将などを兼務。狩猟の間に泥中にはまって死亡し,遺骸は見つからなかったという(『日本紀略』)。正一位を追贈された。『今昔物語集』などによると,五条の天神社の柿の木に現れては花を降らす金色の仏があり,京中の人が拝みに群集したが,聡明な光はこの正体が天狗であることを突き止めたという。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報