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三武一宗の法難 さんぶいっそうのほうなん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

三武一宗の法難
さんぶいっそうのほうなん

中国仏教史上,4人の皇帝によって仏教が受けた迫害。 (1) 北魏太武帝の迫害。太平真君7 (446) 年から7年間にわたって経典,仏像が破壊焼却され,僧侶が生埋めにされた。 (2) 北周武帝の迫害。

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世界大百科事典 第2版の解説

さんぶいっそうのほうなん【三武一宗の法難】

中国に仏教が伝来してから,何度か国家権力による仏教迫害がなされたうち,(1)北魏の太武帝,(2)北周の武帝,(3)唐の武宗,(4)後周の世宗による廃仏,つまり三武一宗の4皇帝治下での迫害が激甚をきわめたので,これを仏教側では三武一宗の法難と呼んでいる。第1回の道教皇帝ともいうべき太武帝による〈魏武の法難〉は446年(太平真君7)から7年間にわたって仏教弾圧がなされた。第2回目の〈周武の法難〉は574年(建徳3)と577年の2回にわたり,このときは文武百官を集めて儒・仏・道の三教の優劣を論じさせたのち,仏教のみならず道教も廃された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

三武一宗の法難
さんぶいっそうのほうなん

中国仏教史上、北魏(ほくぎ)の太武帝、北周の武帝、唐の武宗(以上、三武)と後周(こうしゅう)の世宗(一宗)によって断行された仏教弾圧事件を仏教側からよんだことば。
(1)北魏の廃仏(446~452) 鮮卑(せんぴ)族出身の太武帝は漢人官僚崔浩(さいこう)と道士寇謙之(こうけんし)の影響を受けて道教に傾斜していき、とくに崔浩の方針を採用して、華北一帯の寺院堂塔の廃毀(はいき)、僧尼の還俗(げんぞく)、仏像経巻の焼却などを強行した。
(2)北周の廃仏(574~578) 武帝は隣国北斉(ほくせい)に対する臨戦体制を整える過程において、還俗僧衛元嵩(えいげんすう)らの提言をいれ、仏教と道教の廃棄を決定し、寺院は没収、300万の僧は軍民に編入された。弾圧は主として仏教に向けられ、これに死をもって抗議する僧もいたが、577年には、滅ぼした北斉の旧領内にも適用し、その結果、華北の仏教は大きな打撃を受け、末法思想が広まっていった。
(3)唐の廃仏(845~846) 通称「会昌(かいしょう)の廃仏」。道教に傾倒した武宗は、趙帰真(ちょうきしん)元起(とうげんき)・劉玄靖(りゅうげんせい)ら道士の提言をいれ、徐々に仏教教団に対する統制を強化し、ついには会昌5年(845)、国家祭祀(さいし)に必要な最小限度の寺院と僧尼を残して、その他の寺院の廃毀と財産没収、僧尼の還俗を断行した。
(4)後周の廃仏(955~959) 世宗は唐以来行われてきた仏教管理政策を再確認して、無額の寺や私度(しど)の僧尼を整理した。この廃仏は前3回の廃仏とは異なり、全国で2694の寺院と6万余の僧尼が改めて登録されるなど、根本的な廃仏ではなかった。
 4回の廃仏に共通している点は、僧尼という非生産人口の増加と寺院荘園(しょうえん)の拡大が国家の財政運営上大きな問題となったことである。また、後周を除く三廃仏では、儒教を基本としたうえでの道教・仏教両勢力の角逐が認められる。[佐藤智水]

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世界大百科事典内の三武一宗の法難の言及

【排仏論】より

…また仏教がそもそも夷狄(いてき)教化のための教えであって中国に行うわけにはゆかないとの議論が,南斉の顧歓の《夷夏論》によって明確となり,唐の韓愈や宋の朱熹にもうけつがれた。〈三武一宗の法難〉と総称される排仏事件では,もっぱら僧侶の税役負担免除と仏教教団の蓄財が攻撃の的となった。【吉川 忠夫】。…

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