源氏釈(読み)ゲンジシャク

関連語 山路

精選版 日本国語大辞典 「源氏釈」の意味・読み・例文・類語

げんじしゃく【源氏釈】

  1. 「源氏物語」の最古の注釈書。一巻藤原伊行著。安元元年(一一七五)頃成立。「源氏物語」の本文中に引き歌、出典、故事などの注を書き入れたもので、のちに一巻にまとめられた。藤原定家の「奥入(おくいり)」など以後の注釈研究のもとになった。源氏物語釈。

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百科事典マイペディア 「源氏釈」の意味・わかりやすい解説

源氏釈【げんじしゃく】

平安末期の《源氏物語》注釈。藤原伊行(これゆき)著。1巻。《源氏物語》の最初の注釈書として,以後の注釈研究に少なからぬ影響を与えた。内容は,本文を抄出し,それに和歌漢詩文仏典などにかかわる注釈を施している。平安末期の《源氏物語》受容実態を知るための資料としても貴重。
→関連項目源氏物語奥入無名草子山路の露

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世界大百科事典(旧版)内の源氏釈の言及

【源氏物語】より

…構想上の整理を試みた縦・横の〈並び〉の巻の称もこのころに生まれた。 最も重要なのは注釈で,最初の《源氏釈》は藤原伊行著,ほとんどすべて引歌考証である。これを《奥入(おくいり)》とも呼んだのは巻末に付載されたからだが,これを増補した定家の《奥入》がより有名となった。…

※「源氏釈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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