滝上(読み)たきのうえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「滝上」の意味・わかりやすい解説

滝上(町)
たきのうえ

北海道東部、オホーツク総合振興局管内の町。1947年(昭和22)町制施行。国道273号が通じる。渚滑(しょこつ)川上流山間盆地を中心とする町で、サクルー川との合流点付近に中心市街がある。その下流に大小の滝があり、町名はこれに由来する。町域の大部分を北見山地が占め、ウッツ岳、ウェンシリ岳天塩(てしお)岳などがそびえ、天塩岳一帯は天塩岳道立自然公園となっている。町域面積の91%が森林で、木材の町として知られてきたが、現在は資源育成と木工芸品製造が行われている。1905年(明治38)高知県からの団体入植で開拓が始まり、大正末以降、大規模造田が行われて水稲北限地の一部をなした。現在は水稲の作付けはなく、小麦ジャガイモサトウダイコンテンサイ)などの寒冷地畑作酪農、肉牛肥育が行われている。1923年(大正12)開通した国鉄渚滑線は1985年廃止され、バス輸送にかわった。滝上公園はシバザクラで有名。面積766.89平方キロメートル、人口2421(2020)。

岡本次郎

『『滝上町史』(1976・滝上町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「滝上」の意味・わかりやすい解説

滝上[町] (たきのうえ)

北海道北東部,網走支庁紋別郡にある町。人口3028(2010)。渚滑(しよこつ)川の上流部に位置し,その下流部に数ヵ所の滝があるところから地名が生まれた。南西部の天塩岳(1558m)などの北見山地の山々に囲まれ,渚滑川が東へ流れる。中心集落は渚滑川とその支流サクルー川の合流点に発達している。1905年に高知県からの移民が入地してから開拓が始まった。畑作,酪農が中心で,小麦,ジャガイモ,テンサイのほか,ハッカの耕作面積が大きい。背後の北見山地の豊富な森林資源を背景に木材の町として発展してきたが,54年の台風15号による大量の風倒木被害を境として衰退の傾向にある。渚滑川沿いに国道273号線が通る。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「滝上」の意味・わかりやすい解説

滝上[町]【たきのうえ】

北海道紋別郡の町。1905年に高知県からの移民が入植し,開拓が始まった。渚滑(しょこつ)川上流の広大な北見山地を含み,木材を多産し製材業が盛ん。川沿いの低地ではジャガイモを産するほか酪農も行われる。766.89km2。3028人(2010)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android