火山爆発で噴出された、新溶岩または既存の岩石の直径0.2ミリメートル未満の砕片。火山ダストともいう。火山砕屑物(さいせつぶつ)の一つで通常は火山灰(直径2ミリメートル以下)に含まれ、この用語はあまり用いない。
インドネシアのクラカタウ火山の1883年大噴火の噴煙は2万7000メートルも高空に上昇、火山塵や硫酸ミスト(二酸化硫黄(いおう)を主とする火山ガスが大気中の水蒸気と反応して生じた青い煙霧)が赤道上空の東風にのり、約13日で地球を1周した。さらに何周か回りつつ、南北にも散らばり、ほぼ地球全体の上空を覆い、3年間も地球上の日射量が1割余も減り、世界全般に気温が低下して大凶作になったといわれている。
1960年代から、火山塵がジェット機の窓を擦って発光したり、エンジンに入り込んで燃焼室で溶け、固まってエンジン停止をおこし、あわや墜落という事故が何件も相次いだ。そのため、細粒火山灰の浮遊情報は国際的に重視され、人工衛星を使ったリアルタイム観測や世界中の火山観測所や航空機会社と情報交換を行う「航空路火山灰情報センター」が1993年(平成5)に世界9か所に設置された。日本では、羽田空港にある東京航空路火山灰情報センターが、アジア太平洋地域をカバーし気象庁が業務を担当している。2010年(平成22)4月にはアイスランドの火山が噴火し、その火山塵が北西ヨーロッパ上空に広く漂ったため、世界中の航空機網が数週間に渡って麻痺(まひ)した。
[諏訪 彰・中田節也]
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