光に照らされた面の単位面積当りの光束(国際単位系=SI単位はルーメンlm)を測定し、その面の照度(SI単位はルクスlx)を表示する計器。光束は光によって単位時間に運ばれるエネルギーを表す量であるが、人間の目が感じる明るさに比例した量とするため、光の波長(色)によって値の異なる特定の重み因子を乗じることが約束されている。国際単位系(SI)の光に関する単位は、すべて基本単位である光度の単位カンデラ(cd)から導かれ、光束の単位ルーメンおよび照度の単位ルクスは、重み因子として国際照明委員会が決めた標準比視感度を用いて定められている。照度計の原理は、光のエネルギーによって固体中の電子が励起される現象、すなわち光電効果、光起電力効果、光伝導などを利用し、光のエネルギーを電気信号に変換して計算処理・表示するもので、目的、用途に応じていろいろな型式があり、照明設備の検査などに用いられる。
[三井清人]
照度を測る装置で,測光器の中ではもっとも一般に用いられている。照度は被照面上の微小面積に入射する光束(単位時間当りの光量)を,その微小面の面積で割ったものである。昔は視感による照度測定も行われたが,現在ではもっぱら光電池,光電管,光電子増倍管などの受光素子を用いる光電式照度計で行う。これらの受光素子に光が入射したときの電気的出力を読むために微小電流計やディジタル電圧計を備えている。照度計の分光感度(スペクトルの各波長に対する感度)は,国際的に定められている標準比視感度,すなわち目の分光感度によく合っていなければならない。このため色ガラスフィルターを受光素子の前に置く。また斜めから入射する光に対して受光素子の感度が下がるのを補正するため,乳白ガラスなどで作った平面,または曲面の板を受光素子の前に置く。受光素子の出力が入射する光束によく比例しなければならないのは当然であるが,場合により電気回路に適当な補正回路を付加することが必要である。
執筆者:大場 信英
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…標準比視感度
[測光器]
測光を行う装置を測光器という。もしそれが光度を測るものなら光度計,照度なら照度計,輝度なら輝度計である。これら測光器の使用に際しては,何を測ろうとするかによって異なった使い方となるので注意が必要である。…
※「照度計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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