地下で形成された石炭の層(炭層)に,あとから火山活動によって溶岩が接近あるいは貫入し,その熱で付近の石炭が変質したものをいう。熱が加わるが空気(酸素)の供給はないので,石炭は燃焼せずに乾留され,揮発分が抜けて無煙化し,一種のコークスのようなものになっている。熱源である溶岩(火成岩)から遠ざかるにつれて無煙化の程度が下がり,燃えると白煙を発するものもある。煽石はこのように二次的に変質したものであるが,JISのなかの石炭化度による炭質区分では,無煙炭に含め,細区分で本来の無煙炭と分けている。北九州の筑豊炭田でおもに産出したほか,九州天草炭田,山口県大嶺炭田にもある。無煙なので練炭・豆炭の原料に用いられ,1965年前後には全国の石炭生産の約1%にあたる年間50万t程度の産出があった。しかしその後,これらの炭田の炭鉱がしだいに閉山するにつれて産出が減り,70年ごろには20万tを下回り,73年からは国の生産統計で別個に扱われなくなった。
執筆者:穂積 重友
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
炭層中に貫入・迸入した火成岩によって有煙炭が熱変質し,無煙炭または一種の天然コークスになったもの。筑豊炭田における俗称。一般に硬くて灰分が多く,水分・揮発分が減少し,発熱量が少なくなる。熱変質の度合により,はしり・おこり・ちくらに区分。狭義の煽石ははしりを指し,火中に投ずると音をたてて飛散するのでこの名がある。九州諸炭田,特に筑豊炭田に多い。
執筆者:井上 英二
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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