熊谷陣屋(読み)クマガイジンヤ

デジタル大辞泉 「熊谷陣屋」の意味・読み・例文・類語

くまがいじんや〔くまがいヂンや〕【熊谷陣屋】

浄瑠璃一谷嫩軍記いちのたにふたばぐんき」の三段目きり通称平敦盛を救えとの源義経の密命を果たすため、敦盛身代わりとして息子小次郎犠牲にした熊谷直実くまがいなおざねは、無常を感じて出家する。

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関連語 キリ

精選版 日本国語大辞典 「熊谷陣屋」の意味・読み・例文・類語

くまがいじんや‥ヂンや【熊谷陣屋】

  1. 浄瑠璃「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」の三段目切(きり)の通称。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熊谷陣屋」の意味・わかりやすい解説

熊谷陣屋
くまがいじんや

義太夫節曲名。並木宗輔らの合作宝暦1 (1731) 年初演。時代物。『一谷嫩軍記 (いちのたにふたばぐんき) 』の3段目。熊谷直実は平敦盛を討ったとみせ,実は一子小次郎を身代りにしていた。熊谷は無常を感じ,出家する。武士道の犠牲的精神をよく描き,熊谷と,小次郎,敦盛の2人の母の苦悩が聞きどころ。人形もみどころの多い名作。

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百科事典マイペディア 「熊谷陣屋」の意味・わかりやすい解説

熊谷陣屋【くまがいじんや】

一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)

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世界大百科事典(旧版)内の熊谷陣屋の言及

【一谷嫩軍記】より

…ほかには,六弥太の家来太五平(実は平重衡の家臣)のからみや,平時忠の陰謀などが筋立ての中にあるが,1730年(享保15)大坂竹本座の《須磨都源平躑躅》(文耕堂・長谷川千四合作)を踏まえた,熊谷と敦盛の部分が特に有名である。三段目の〈熊谷陣屋〉がそれで,文楽・歌舞伎の代表的な時代物の一つとなっている。人形浄瑠璃初演の翌年52年には,江戸・大坂両都で歌舞伎化された。…

※「熊谷陣屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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