今熊山
熊野磨崖仏は岩壁に向かって右に伝大日如来像(像高約七メートル)、左に不動明王像(同約八メートル)がいずれも半肉に彫出され、不動像下方の左右両側にも二童子像が彫られている。しかし現在この二童子像はほとんど磨滅し、大日・不動両像に至っては肉眼で見るかぎり、腰部以下が欠失した状態。このため大日・不動両像の腰部以下は初めから造顕されなかったという見方が従来支配的であったが、最近の調査で坐像という見解が示されるようになった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
… 国東半島は,古くは宇佐神宮とその神宮寺である弥勒寺の荘園となっていたところで,国東六郷の山々に多くの寺が建てられ,ここに独特の国東仏教文化が開花した。石仏,国東塔などの石造美術も多く,豊後高田市大字平野にある熊野磨崖仏は,豊後磨崖仏のなかでも最大のものである。近年,この地域には多くの観光客が訪れるようになった。…
…近年,工場団地をつくり工場の誘致をはかっているが,依然として雇用機会が少ないので人口が流出する傾向にある。田染(たしぶ)地区は国東文化の遺跡が多く残っているところで,富貴(ふき)寺をはじめ,重要文化財の仏像を多数有する伝乗寺(真木大堂),豊後磨崖仏中,最大の規模を誇る熊野磨崖仏(史)などがある。天念寺の修正鬼会は国の重要無形民俗文化財に指定されている。…
※「熊野磨崖仏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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