易の卦(か)の基本になっているとの棒のこと。易を構成するもっとも基本的な単位で,卦はこれを6本積み重ねたものである。ととはそれぞれ積極的なものと消極的なもの,男性的なものと女性的なものといった事物の対立する二面を象徴し,易では剛と柔の名で呼ばれるが,易伝(十翼)に至って陽と陰とされた。卦中における爻の位置に関して〈位〉〈中〉〈正〉〈応〉〈比〉〈承〉〈乗〉といった,易学特有のタームが使われる。なお,二進法の原理を創始したドイツの哲学者ライプニッツは,易の卦につよい興味をいだき,を0,を1に数式化した。現代のコンピューターが0と1との二進法を基礎にしていることを考えるとき,易は案外現代的なメカニズムを備えているといえるかもしれない。
執筆者:三浦 国雄
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…残りが1本なら☰乾(けん)(天),2本なら☱兌(だ)(沢),3本なら☲離(火),4本なら☳震(雷),5本なら☴巽(そん)(風),6本なら☵坎(かん)(水),7本なら☶艮(ごん)(山),8本なら☷坤(こん)(地)。これで内卦(六爻(こう)の下半分)が得られた。次に同じ操作をして外卦(上半分)を求める。…
…《易経》はこの経と伝との総称である。卦とは,(陰の象徴)と(陽の象徴)の棒(爻(こう))をまず3本組み合わせて8種類のパターン(八卦(はつか))を作り,次にそれらを互いに重ねて64種類にしたものである。占断の辞は64卦だけではなく,各卦の各爻ごとに付されているから(前者を卦辞,後者を爻辞という),64×6の合計384種類のシチュエーションが備わっていることになる。…
※「爻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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