(読み)ケ

デジタル大辞泉 「卦」の意味・読み・例文・類語

け【×卦】

で、算木に現れる種々のかたち。これで人生事柄の吉凶を占う。陰陽2種のこうを組み合わせるのを八卦はっけといい、さらにこれを二つずつ配合して六十四卦を生ずる。

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精選版 日本国語大辞典 「卦」の意味・読み・例文・類語

け【卦】

  1. 〘 名詞 〙(えき)で占った結果あらわれる象(かたち)。陰と陽とを示す二種の爻(こう)を、三つ組み合わせた乾(けん)・兌(だ)・離・震・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)の八つの形を基本として、これを八卦といい、易経周易)では、この八卦をさらに二つずつ上下に組み合わせて六十四卦とする。この八卦、六十四卦によって、天地間のあらゆる変化をよみとり、吉凶を判断する。
    1. [初出の実例]「前脚並有離卦。後脚並有一爻」(出典続日本紀‐霊亀元年(715)八月丁丑)
    2. 「頼豪院恭く卦(ケ)を敷下し、考を施していはく」(出典:読本・昔話稲妻表紙(1806)二)

クヮ【卦】

  1. 〘 名詞 〙 易で算木(さんぎ)に出た象(かたち)。これで吉凶を占う。→卦(け)
    1. [初出の実例]「卦(クヮ)を鋪下(しきくだ)し、考を施して言ふ」(出典:読本・英草紙(1749)五)
    2. [その他の文献]〔易経‐説卦〕

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普及版 字通 「卦」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] カ(クヮ)・カイ(クヮイ)・ケ
[字訓] うらかた・うらなう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は圭(けい)。〔説文〕三下に「筮(ぜい)なり」とあり、圭とは易の卦爻(かこう)をしるす土版。のち木にしるした。卜は卜兆。卦にしるすものは筮であるが、六爻の法はもと卜兆から出ているらしく、故に字はなお卜に従う。

[訓義]
1. うらかた。
2. うらなう。
3. 掛に通じ、かける。

[古辞書の訓]
立〕卦 ウラナフ・ムラ 〔字鏡集〕卦 シルシ

[声系]
掛は卦声。もと挂に作り、〔説文〕十二上に「畫するなり」とあって、爻を画する意。〔易、辞伝上〕に字を掛に作り、挂はその省文であろう。

[熟語]
卦気卦姑卦候・卦爻卦肆・卦辞・卦者卦象卦筮・卦兆卦売卦版卦変卦理
[下接語]
按卦・陰卦・起卦・吉卦・下卦・建卦・乾卦・作卦・上卦・乗卦・成卦・筮卦・設卦・説卦・兆卦・重卦・陳卦・定卦・八卦・半卦・布卦・問卦・陽卦・立卦

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「卦」の意味・わかりやすい解説



gua

易の用語。「け」とも読む。-の線 (陽爻〈こう〉) と--の線 (陰爻) が3本組合わさった形をいう。組合せの方法は,全部で8卦 (はっか) になるが,それをさらに重ね合せて 64卦としたものを実際の占いでは利用する。3本ずつ重ね合せた上卦と下卦との関係から,あるいは各爻の位置から,将来の吉凶を占う。それぞれの卦には説明文がついていて,それを卦辞あるいは彖辞 (たんじ) という。

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占い用語集 「卦」の解説

三つの爻を重ねた、乾(天)・兌(沢)・離(火)・震(雷)・巽(風)・坎(水)・艮(山)・坤(地)の八種類から成る八卦(小成卦)と、この八卦を更に上下に二つ重ねた六十四卦(大成卦)がある。この卦の中に、世の中の森羅万象全てが詰まっているといわれている。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【易経】より

…《周易》,《易》ともいう。本文(経(けい))は64種類の象徴的符号(卦(か))と,そのおのおのに付された短い占断の言葉から成っており,本文の解説(伝(でん))は彖(たん)伝をはじめ10編があるので,これを十翼(翼はたすける意)という。《易経》はこの経と伝との総称である。…

【算木】より

…筮竹(ぜいちく)の操作によって出た爻を,下から上へ順次置いてゆくためのもの。古代には1爻を得るごとに地面に爻を描き,6爻(ひとつの卦(か)を成す)が備わると方版に描いて依頼者に示したといい(《儀礼(ぎらい)》士冠礼の疏),朱熹の《筮儀》にも,爻を描くために筆と墨と黄色い漆の板を用意せよとあって算木(中国語の卦子)への言及がないから,算木を使うのは古礼ではなく近世にはじまったことがらであろう。(2)中国の計算器。…

※「卦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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