もち米,または,もち米とうるち米をまぜてたき,半つぶしにして小さく丸め,アズキあん,きな粉などをまぶしたもの。春秋の彼岸につくって仏壇に供え,親戚縁者などへ配る風習があった。ぼたん餅のなまった語で,別に〈萩(はぎ)の花〉〈萩の餅〉〈おはぎ〉ともいう。いずれも形や色をボタンやハギに見立てたもので,萩の花の語は《日葡辞書》にFaguino fanaとして書かれている。《本朝食鑑》(1697)は,手軽に餅つきの音も立てずにつくれるので〈隣知らず〉,またついたかどうかわからぬので〈夜舟(よぶね)〉というだじゃれめいた異称を紹介し,庶民の食べもので貴人の食とされることは少ない,ともいっている。江戸では天保(1830-44)ころから〈三色ぼた餅〉で人気を集めた店があった。麴町三丁目(現,千代田区)にあった〈お鉄ぼた餅〉がそれで,〈ぼた餅だけれどお鉄は味がよし〉などと川柳や狂詩によまれている。
執筆者:鈴木 晋一
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