牡丹餅(読み)ボタモチ

デジタル大辞泉 「牡丹餅」の意味・読み・例文・類語

ぼた‐もち【×丹餅】

御萩おはぎ」に同じ。
丸くて大きい顔の不器量女性をあざけっていう語。
「―とぬかしたと下女いきどほり」〈柳多留・五〉

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改訂新版 世界大百科事典 「牡丹餅」の意味・わかりやすい解説

牡丹餅 (ぼたもち)

もち米,または,もち米とうるち米をまぜてたき,半つぶしにして小さく丸め,アズキあん,きな粉などをまぶしたもの。春秋彼岸につくって仏壇に供え,親戚縁者などへ配る風習があった。ぼたん餅のなまった語で,別に〈萩(はぎ)の花〉〈萩の餅〉〈おはぎ〉ともいう。いずれも形や色をボタンやハギに見立てたもので,萩の花の語は《日葡辞書》にFaguino fanaとして書かれている。《本朝食鑑》(1697)は,手軽に餅つきの音も立てずにつくれるので〈隣知らず〉,またついたかどうかわからぬので〈夜舟(よぶね)〉というだじゃれめいた異称を紹介し,庶民の食べもので貴人の食とされることは少ない,ともいっている。江戸では天保(1830-44)ころから〈三色ぼた餅〉で人気を集めた店があった。麴町三丁目(現,千代田区)にあった〈お鉄ぼた餅〉がそれで,〈ぼた餅だけれどお鉄は味がよし〉などと川柳や狂詩によまれている。
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百科事典マイペディア 「牡丹餅」の意味・わかりやすい解説

牡丹餅【ぼたもち】

炊(た)いたもち米を軽くついて丸め,アズキ餡(あん)をつけたもの。うるち米をまぜることもある。また,黄粉(きなこ)やすりゴマに砂糖を加えてまぶしたものもある。おもに彼岸供え物配り物とする。本来は春の彼岸のものを牡丹餅,秋の彼岸のものをお萩(はぎ)(萩の餅)と称したという。
→関連項目おはぎ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「牡丹餅」の意味・わかりやすい解説

牡丹餅
ぼたもち

餅菓子一種。もち米,うるち米を等量に合せて蒸し,すり鉢で粗ずりしたものを団子にして,あん,黄粉,ごまなどをまぶす。鎌倉時代の掻餅 (かいもち) が起源とされるが,江戸時代中頃から庶民に人気があり,春秋の彼岸の供物として欠かせないものとされてきた。かつては春には牡丹餅と呼び,秋にはお萩と呼んだ。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「牡丹餅」の解説

ぼたもち【牡丹餅】

おはぎ。⇒おはぎ

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