物質系の巨視的状態について測定できるいろいろな性質の間の関係は熱力学によって定量的、かつ数学的に表現することができる。この場合、系の条件、したがって状態を固定させるか、変化させるために十分に直接的に操作できるような量を状態量という。普通は状態量として意味があるのは温度、圧力、組成だけの場合が多いが、特別な場合には機械的、電気的、磁気的、重力、あるいは表面などのポテンシャルが重要となることもある。状態量を熱力学的変数として考えるときには状態変数という。物質の量に依存しない状態変数を示強変数、物質の量に比例するものを示量変数という。温度や圧力などは前者、体積、内部エネルギー、エントロピーなどは後者に属する。熱平衡にある単相の物質では、二つの状態変数を指定すると、他のすべての熱力学的諸量が定まることが知られ、これらの関係式はすべて状態方程式とよんでよいものであるが、通常は圧力、体積、温度の関数的関係を規定したものだけを状態方程式とよんでいる。
[平野賢一]
物質系のそのときの状態のみによって決まる量.たとえば,温度,圧力,体積,内部エネルギー,エンタルピー,エントロピー,ギブズエネルギーなど.これらの量はいかなる過程を経てその状態に到達したかには無関係である.普通,一成分系については温度,圧力,体積のいずれか二つ,多成分系ではそれに組成を加えてその状態が規定される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…熱平衡にある物質の状態量の間には,ある種の関係式が成り立つ。これを状態方程式,あるいは単に状態式という。…
※「状態量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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