狒狒(読み)ヒヒ

デジタル大辞泉 「狒狒」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ひ【××狒】

オナガザル科うちヒヒ属とゲラダヒヒ属の哺乳類総称。鼻口部が突出した独特の顔つきをし、雄は雌よりもがっしりしていて大きい。アフリカアラビアに、マントヒヒドグエラヒヒマンドリルゲラダヒヒなどが知られる。
年のいった好色な男をののしっていう語。「狒狒おやじ」
[類語]手長猿山猿野猿やえん野猿のざる・旧世界猿・尾長猿日本猿マント狒狒・新世界猿・尾巻猿蜘蛛猿

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「狒狒」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ひ【狒狒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. オナガザル科ヒヒ属の哺乳類の総称。体が比較的大きく、吻(ふん)が著しく長く、顔がイヌに似ている。マントヒヒ、ギニアヒヒアヌビスヒヒなど。犬歯が長大で鋭く、足は長く、地上を歩くのに適する。雑食性で、小形の哺乳類を捕食することもある。アフリカ・アラビア半島南部に分布する。
    1. [初出の実例]「猩猩能言。狒狒巧」(出典:本朝文粋(1060頃)三・鳥獣言語〈菅原淳茂〉)
    2. [その他の文献]〔爾雅‐釈獣〕
  3. 年功を経て、老獪(ろうかい)な人のたとえにいう。
    1. [初出の実例]「今引ている古(ふる)芸子(ヒヒ)のやうになりたるがいうたも金言也」(出典:洒落本・浪花今八卦(1773)桔梗卦)
  4. 淫欲の盛んな中年以上の男をののしっていう語。「ひひおやじ」
    1. [初出の実例]「半玉ばかりでも十人近く罪な事を為てえるぜ〈略〉怖しい狒々だなア」(出典:夢の女(1903)〈永井荷風〉一六)

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