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猿の生肝 さるのいきぎも

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

猿の生肝
さるのいきぎも

動物昔話の一つ。仲のよいさると亀が毎日海辺で遊んでいた。ところが竜宮 (亀の世界) の乙姫が病気になり,亀はその病気をなおすにはさるの生肝が妙薬だといわれたので,生肝をとるためさるをだまして竜宮に連れていく。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版の解説

さるのいきぎも【猿の生肝】

昔話。〈海月(くらげ)骨なし〉とも呼ばれる。竜宮の乙姫が病気になって猿の生肝を求める。使者のクラゲが猿を誘い出すが,途中で感づかれて失敗する。クラゲは竜宮で制裁を受けたために骨がなくなる。これを主題にして猿,ウサギ,亀,タコ,ナマコ主人公で語られる場合もある。山間陸地に生息する動物と海にすむ生物の交渉・交流を語り,競争や戦争とは別途の内的な闘いの姿を語る。この昔話の原拠は古代インド説話で,《パンチャタントラ》《ジャータカ》などによって確認される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

猿の生肝
さるのいきぎも

昔話。動物どうしの葛藤(かっとう)を主題にした動物昔話の一つ。「海月(くらげ)骨なし」ともいう。竜宮の乙姫(おとひめ)が重病にかかる。猿の生肝を食べさせると治るという。亀(かめ)が竜宮の王の命令を受け、猿をだまして連れてくるが、門番の海月が、生肝を取るのだと猿に教える。猿は、肝は木にかけたまま置いてあるから取ってくるといって逃げ帰ってしまう。海月はよけいなことをいった罰に、骨を抜かれる。
 江戸中期の赤本の『猿のいきぎも』など文献にも多くみえ、明治以後も絵本や読み物で親しまれている。北海道のアイヌにも知られている。古くは古代インドのサンスクリット文学にみえ、『ジャータカ』や『パンチャタントラ』の話は、漢訳経典にも入っており、日本にも知られている。平安末期の『今昔物語集』には、天竺(てんじく)(インド)の話として、経典からの翻案と思われる類話が収められている。鎌倉時代の『沙石集(しゃせきしゅう)』にもあり、日本では、仏教説話として伝来したものが、昔話になって広まったのであろう。猿の生肝を欲しがる理由を、妻が懐妊して異常なものを食べたがる「つわり好み」としている例もある。
 インドのほか、ビルマ(ミャンマー)のシャン人、中国のチベット人、ベトナム、朝鮮など東アジアにも分布している。これらも、インド文化の影響のもとに伝えられたらしい。インドネシアでは『パンチャタントラ』の翻訳『カリラとダミナの物語』で知られている。西アジアへも、『パンチャタントラ』の翻訳『カリーラとディムナの物語』のシリア語訳やアラビア語訳で伝わっており、ユダヤ人の伝承にもある。ヨーロッパではハンガリーやラトビアにもあり、西インド諸島のプエルト・リコのスペイン系住民の間にも知られているが、数は少ない。西アジアからの伝播(でんぱ)であろう。アフリカのザンジバルの類話も、サンスクリット文学の流れとは別個のものとは考えにくい。[小島瓔

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