玄旨帰命壇(読み)ゲンシキミョウダン

デジタル大辞泉 「玄旨帰命壇」の意味・読み・例文・類語

げんし‐きみょうだん〔‐キミヤウダン〕【玄旨帰命壇】

中世天台宗で行われた秘法摩多羅またら神を本尊として、秘密裏に師から弟子奥義を口伝するもの。のち真言宗の一派立川流の影響を受け、愛欲貪財の邪教と化し、江戸中期に禁圧された。

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精選版 日本国語大辞典 「玄旨帰命壇」の意味・読み・例文・類語

げんしきみょう‐だんゲンシキミャウ‥【玄旨帰命壇】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。中古、天台宗山門派に行なわれた一種の秘法。摩多羅神を本尊として、その壇の前で禅家のような玄旨公案などを与えて、これを受者に工夫させ、また説法などを行ない、最高秘密の伝法としたもの。のち、真言立川流の影響を受け、淫靡(いんび)な邪教に堕落したので、江戸時代、元祿年間(一六八八‐一七〇四)に禁じられた。〔闢邪編(1698)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「玄旨帰命壇」の意味・わかりやすい解説

玄旨帰命壇
げんしきみょうだん

比叡山で行われた秘法の一つで,摩多羅神を祀り,その壇前において仏祖の玄旨と修行者帰命に関する公案を与え,修行者に答えさせて,秘密裏に印可して最高秘密の伝法としたもの。のちにはみだらになる傾向を帯びてきたため,元禄年間 (1688~1704) に禁止され,典籍は焼却された。

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