槌(つち)の一種。源翁、玄翁とも書く。玄能は、おもに石を割ったり、のみや釘(くぎ)をたたく際に使用する道具で、頭と柄(え)からできている。頭の両端は鋼を鍛接してあり、柄はおもにカシ材が用いられることが多い。両小口(こぐち)に同じ大きさの面をもつ両口玄能のほか、頭部の片側がとがり、小さな面となる舟手(ふなて)玄能、片口玄能などがある。
両口玄能の小口は、片方は平らで、もう一方は小口の中央が少し膨らんでいる。釘を打ち込むときには、まず平らな面で打ち込み、最後に玄能の面を変えて、中央が膨らんだ面でたたき締めるためのもので、木の表面に傷をつけないように工夫されている。これを「木殺し面」という。
玄能の頭の断面によって、丸、楕円(だえん)、四角、八角、達磨(だるま)、一文字などがあり、また、頭の大きさは重量で表される。現在でも匁(もんめ)に対応した重さでつくられ、大玄能(300匁、1125グラム、大仕事用)、玄能(100匁、375グラム、荒仕事用)、中玄能(70~80匁、260~300グラム、見習大工用)、小玄能(50~60匁、180~240グラム、造作・建具用)、豆玄能などに区別される。中玄能、小玄能、豆玄能はおもに釘打ちに使用されている。
[赤尾建蔵 2021年7月16日]
…ものを打ちたたく工具の総称(図)。頭は木製か鉄製で円筒形をなし,T字形に木柄がつくが,柄が縦方向につく砧槌(きぬたづち)や両頭の杵槌(きねづち)などもある。《和名抄》に椓撃(たくげき)(掛矢(かけや)),柊揆(さいづち)(才槌),槌(かなづち)(鉄槌)などがあり,10世紀以前に現在の槌の大部分が出そろっていたと推測される。木製頭では,破壊用の武器にも土木や建築工事にも用いる大型の掛矢,その小型の才槌などがある。…
※「玄能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
太陽の表面にあるしみのように見える黒点で起きる爆発。黒点の磁場が変化することで周りのガスにエネルギーが伝わって起きるとされる。ガスは1千万度を超す高温になり、強力なエックス線や紫外線、電気を帯びた粒...
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
6/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
5/20 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫を追加