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珍海 ちんかい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

珍海
ちんかい

[生]寛治5(1091)
[没]仁平2(1152).11.23. /永万1(1165)
平安時代後期の画僧。東大寺三論宗の碩学で,已講 (いこう) となるなど当代一流の学僧でもあった。藤原基光の子として生まれ画技に秀で,また醍醐寺三宝院定海に学んで密教図像に詳しく,「天下第一の絵師」と称された。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

珍海 ちんかい

1091-1152 平安時代後期の僧。
寛治(かんじ)5年生まれ。藤原基光(もとみつ)の子。東大寺東南院の覚樹に三論を,醍醐寺(だいごじ)三宝院の定海(じょうかい)らに真言をまなぶ。興福寺維摩会(ゆいまえ)など三会の講師(こうじ)をつとめる。浄土教に関心をもち「決定(けつじょう)往生集」をあらわす。絵にもすぐれ天下第一絵師とよばれ,おおくの密教図像や仏画をえがいた。仁平(にんびょう)2年11月23日死去。62歳。号は理法房。

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朝日日本歴史人物事典の解説

珍海

没年:仁平2.11.23(1152.12.20)
生年:寛治5(1091)
平安後期の三論宗の僧。宮廷画家藤原基光の子。東大寺の覚樹のもとで三論のほか華厳・倶舎・法相などを学び,三会の講師を勤めて已講となった。さらに醍醐寺の定海や勧修寺の寛信について密教を学んだほか,浄土思想にも精通して『決定往生集』を著すなど,碩学として知られる。画僧としても名高く,確証ある作品こそ伝わらないが,数点の密教白描図像にその名が残る。特に東寺伝来の「聖天図」には「珍海已講筆 天下第一絵師」と記されており,その盛名がうかがわれる。久安4(1148)年には「釈迦霊鷲山説法図」(米・ボストン美術館蔵)の補修も行っている。

(矢島新)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

ちんかい【珍海】

1091‐1152(寛治5‐仁平2)
南都東大寺の碩学(せきがく)で作画に長じた画僧。藤原基光の子で,父子ともに画技をよくした。東大寺覚樹の下で三論・俱舎・法相などを学び,已講(いこう)となる。のち高野山の覚鑁(かくばん)や定智の師でもあった醍醐寺定海,さらに勧修寺寛信にも学び,密教図像に精通した。確証ある作品は現存せず,白描図像の中で《聖天図》(東寺)は古来珍海の筆になるとされてきたが断定できない。珍海の図像を転写したとされるものがあり,中では《仁王経五方諸尊図》(東寺)の南方幅などが知られている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

珍海
ちんかい
(1091―1152)

平安後期の三論の学匠、画僧。絵師春日基光(かすがのもとみつ)の子。東大寺東南院覚樹(かくじゅ)の弟子となり、のち醍醐寺(だいごじ)三宝院(さんぼういん)定海(じょうかい)や勧修寺(かじゅうじ)寛信(かんしん)から密教を受法した。東大寺では三会(さんね)の講師(こうじ)を務め、已講(いこう)となった。『決定往生集(けつじょうおうじょうしゅう)』始め三論・密教・浄土関連の著述も多い。その出自から画技に秀(すぐ)れ、醍醐寺や東寺に白描図像を多く残す。とくに東寺の「天下第一絵師」と傍書のある白描「双身歓喜天(そうしんかんぎてん)」、白描「仁王経五方諸尊図(にんのうきょうごほうしょそんず)」の南方幅(国指定重要文化財)は有名である。[田村隆照]

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世界大百科事典内の珍海の言及

【決定往生集】より

…平安末期の仏書。東大寺三論宗の僧珍海の撰。1142年(康治1)完成。…

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