デジタル大辞泉 「理無い」の意味・読み・例文・類語
わり‐な・い【▽理無い】
1 理屈や分別を超えて親しい。非常に親密である。多く、男女関係についていう。「いつしか―・い仲になる」
2 道理に合わない。理屈ではどうにもならない。
「心をぞ―・きものと思ひぬる見るものからや恋しかるべき」〈古今・恋四〉
3 なすすべを知らない。どうしようもない。
「扇をさし出でて制するに、聞きも入れねば、―・きに」〈枕・二二二〉
4 どうにもできなくて苦しい。堪えきれない。
「この人の思ふらむことさへ、死ぬばかり―・きに」〈源・帚木〉
5 やむをえない。しかたない。
「―・く夜更けて泊まりたりとも、さらに湯漬けをだに食はせじ」〈枕・一九六〉
6 やっとのことである。精一杯である。
「―・くして
7 程度がはなはだしい。ひととおりでない。
「―・う古めきたる鏡台の」〈源・末摘花〉
8 言いようもないほどすばらしい。何とも殊勝である。
「
9 何ともいじらしい。けなげである。
「春を忘れぬ遅桜の花の心―・し」〈奥の細道〉
[派生]わりなさ[名]