生理学研究所(読み)せいりがくけんきゅうじょ

百科事典マイペディアの解説

生理学研究所【せいりがくけんきゅうじょ】

大学共同利用機関法人自然科学研究機構に所属する五つある研究機関の一つ。人体の機能の総合的な解明に向け,分子・遺伝子から個体までのさまざまな生体の機能を研究している。最近は日本における脳研究の一つの拠点としての役割も果たしている。分子生理研究系,生体情報研究系など六つの研究系のほか,脳機能計測センターなどで構成される。文部科学省が所管していた岡崎国立共同研究機構に所属する大学共同利用機関の一つだったが,2004年4月の大学共同利用機関の法人化に伴って発足した自然科学研究機構所属の研究機関となった。設置は1977年。基礎生物学研究所とともに生物科学総合研究機構の研究機関として設立された。所在地は愛知県岡崎市。
→関連項目総合研究大学院大学

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生理学研究所
せいりがくけんきゅうしょ

国立大学法人法に基づいて設置された、大学共同利用機関法人自然科学研究機構傘下の国立の研究所。英語名はNational Institute for Physiological Sciences。略称は生理研、NIPS。1967年(昭和42)11月、日本学術会議から人体基礎生理学研究所を設立するよう内閣総理大臣に勧告があり、1977年5月に生理学研究所が創設された。所在地は愛知県岡崎市。
 生体を対象に人体の機能を総合的に解明することを目標とする研究所である。分子から細胞、組織、器官、そしてシステム、個体、社会活動にわたる各レベルにおいて先導的な研究を行うものであり、それらの各レベルでの研究成果を統合し、生体の機能とそのメカニズムの解明に取り組んでいる。
 とりわけ人体の生命活動には脳の働きが不可欠であり、生体の恒常性維持に関する基礎的な脳研究は、生理学においてきわめて重要だとして、脳研究にウェイトを置く。当研究所は「ヒトのからだと脳の働きを大学と共同して研究し、そのための研究者を育成している研究所」を活動目標として掲げている。研究は機能分子動作・制御機構解明のほか認知行動機構解明、高度認知行動機能解明など六つの柱をすえる。
 研究成果として、生理学・脳神経科学の分野でつねに国際的にトップレベルを維持しているが、トムソン・ロイター社が2015年に発表した、2009~2013年における国内論文引用度指数のランキングでは総合で第19位、神経科学分野では第3位であった。
 研究所では毎年、多種多様な共同研究、共同利用実験、研究会、国際シンポジウムを開催し、国内外から多数の研究者が滞在している。大学院生や若手研究者を国際的な生理科学研究者へと育成することや、全国の大学、研究機関へと人材供給することにも意欲的に取り組んでいる。[馬場錬成・玉村 治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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