精選版 日本国語大辞典 「画所」の意味・読み・例文・類語
え‐どころヱ‥【画所・絵所】
- 〘 名詞 〙
- ① 平安以降、絵画のことをつかさどり、宮廷の装飾や衣服の模様などを担当した役所。また、そこに仕える絵師をもいう。大同三年(八〇八)に廃止された画工司(えだくみのつかさ)に代わって設置され、別当には五位の蔵人が、預(あずかり)には専門の絵師が任命された。
- [初出の実例]「画所犬死、〈略〉画所者、在二宮門左右衛門陣之内一、若当レ行二神事一」(出典:日本三代実録‐仁和二年(886)九月一二日)
- 「ゑところに上手おほかれどすみがきにえらばれてつぎつぎにさらにおとりまさるけぢめふとしもみえわかれず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
- ② 中世、東大寺、本願寺、春日神社、住吉神社などの大社寺が①にならって設けた美術方。また、そこに勤務する絵師。
- [初出の実例]「山門彩色絵所、各御扇子一柄可レ献之由被二仰出一」(出典:蔭凉軒日録‐永享一二年(1440)五月一五日)
- ③ 江戸時代、幕府の設けた美術方。住吉如慶に始まる。