疑心(読み)ギシン

精選版 日本国語大辞典 「疑心」の意味・読み・例文・類語

ぎ‐しん【疑心】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 仏語。仏教の真理に対して、心がさだまらなくなること。六根本煩悩の一つ。広義には煩悩でない疑いをも含める。疑(ぎ)
    1. [初出の実例]「第二懐疑致請来者。衆生夢聞略説則執動疑生。執心既動。理有除之義。疑心既生。可得解之美」(出典法華義疏(7C前)一)
    2. 「不妄語戒を持ちて妄語せず、実に疑心(ギシン)すべからず」(出典:私聚百因縁集(1257)二)
    3. [その他の文献]〔大日経‐一〕
  3. 疑いの心。疑い。うたぐり。
    1. [初出の実例]「東寺修理上人為勧進所被下向也、誰人無仏法哉、不疑心、可結縁之状如件」(出典:東寺百合文書‐ほ・建久二年(1191)一二月一一日・源頼朝御判御教書案)
    2. 「数度(すど)申しければ、疑心(ギシン)晴れやらざりしか共」(出典:信長記(1622)一上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「疑心」の読み・字形・画数・意味

【疑心】ぎしん

疑う心。疑念。〔師友雑誌〕嘗(かつ)て人の鬼怪(い)ふを聞き、以爲(おも)へらく、必ず此の理無からんと。以爲ふに、疑心闇鬼を生ずるならん。最も是れ切の議論なり。

字通「疑」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android